アバターにはないメリットがある――Osaka Metroらが「ヒューマノイド駅員」の実証実験 体験すると毎日先着順でpovo2.0の「24時間データ使い放題」チケットを贈呈

» 2026年09月01日 06時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)、KDDI、AVITAの3社は8月31日から、「ヒューマノイド(人型ロボット)駅員」による接客案内サービスの実証実験を開始した。実証実験は同日から9月6日まではMetro Opus 梅田店(大阪市北区:御堂筋線梅田駅北改札の外)で、9月9日から15日まではMetro Opus 谷町九丁目east(大阪市大阪市天王寺区:谷町線谷町九丁目駅東改札の外)で実施される。営業時間は実施日の11時から20時までとなる(8月31日のみ13時オープン)。

様子 Osaka Metroがヒューマノイド(人型ロボット)による案内業務の実証実験を実施する

実証実験の概要

 「質の高い顧客体験」の提供を目的として、Osaka Metroは積極的にAIのを活用した施策を進めている。今回の実証実験はその一環として行われるもので、KDDIとAVITAが開発したヒューマノイドが“駅員”として「駅構内の案内」「乗り換え案内」「周辺スポットに関する情報提供」といった案内業務を行う。

 ヒューマノイドの名前は「ヒナタ」で、Osaka Metroの女性用制帽とズボンタイプの夏制服を身に付けているが、意図的に「男性とも女性とも取れる中性的な顔立ち」とした。

ヒューマノイド駅員 実証実験で使われるヒューマノイド駅員「ヒナタ」は身長178cm、体重48kgで(いずれも実測値)、あえて「男性とも女性とも見える外観」を採用している。左側にあるモバイルディスプレイは、案内業務の補助で使うものだ

 ヒナタにはGoogleの生成AI「Gemini」を活用しており、実証実験を実施する駅の“駅員”として必要な知識を一通り学習しているという。案内は日本語を含む60言語に対応しており、話しかけた言語で質問に答えてくれる。

 質問した内容によっては、ヒナタの左側にあるディスプレイに二次元コードが表示される。この二次元コードをスマートフォンのカメラで読み取ると、ヒナタが回答したことに関する詳細(駅の構内図、周辺スポットの地図情報など)を確認可能だ。

二次元コード 質問内容によっては、ヒナタの左側にあるディスプレイに二次元コードが表示される。これをスマートフォンで読み取ると、ヒナタが回答したことの詳細を確認できるという寸法だ。

実証実験の参加特典

 実証実験でヒナタと会話した人のうち、各日先着200人にはモバイル通信サービス「povo2.0」で利用できる「24時間データ使い放題」(330円相当)のクーポンコードが贈呈される。povo2.0を既に契約している場合、クーポンコードはローソンとYahoo!ショッピングで販売されている「ギガチャージカード」と同じ要領で登録可能だ(参考リンク)。

 また、会話した後にアンケートに回答すると、Osaka Mertoのポイントプログラム「Osaka Point」のポイントが20ポイントもらえる。アンケートは同社のスマートフォンアプリ「e METRO」に実験会場で伝えられるキャンペーンコードを入力すると回答可能で、ポイントの贈呈は会期中1回のみとなる。

Osaka Metro 実証実験でヒナタと会話した後にアンケートに答えると、もれなく「Osaka Point」が20ポイントもらえる

なぜ「ヒューマノイド」なのか?

 「AIを使った接客案内」は、複数の鉄道事業者が実証実験を行っている。しかし、その多くはディスプレイにアバターを表示するスタイルを取っている。

 それに対して、今回の実証実験は人型ロボットたるヒューマノイドを採用している。その狙いは「より多くの人と会話をするため」だ。

 ヒューマノイドの開発元であるAVITAは、AIアバターで多くの実績を持つ企業でもある。同社の担当者によると、画面上のAIアバターの課題の1つとして「特に高齢の方は『話しかけることができる』相手として認識できない」ことがあるという。

 その点、ヒューマノイドを“インタフェース”として利用すると「高齢者でも気軽に話しかけてくることが多い」そうだ。今回の実験は、“駅員”としての案内業務に主眼が置かれているので、いわゆる「フィジカルAI」の活用実験も兼ねて、より広い人とコミュニケーションを取れうるヒューマノイドを起用することになったそうだ。

 Osaka Metroの担当者によると、実験の実施場所の選定に当たっては駅としての特性の違いを重視したという。梅田駅は「インバウンド(外国人旅行客)を含む多種多様なお客さまがやって来る」こと、そして谷町九丁目駅は「“地元”に住むお客さまが多い」ことが決め手になったようである。

顔元 中性的な顔立ちのヒナタだが、より親しみを持ってもらえるようにメイクにはこだわったという。なお、ヒナタの目にはカメラが備わっており、少し離れた所にあるカメラで会話者の人数と話者を把握しつつ、目のカメラで視線を合わせている

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