俺色にそまれ!特製ケータイのつくりかたこんにちはー,「もばいるのつくりかた」第7回です。今回はちょっと趣向を変えて,「あなただけの特製ケータイ」の作り方のお話です。人と同じじゃイヤ! という個性的な,ワガママなあなたにお届けします!
少し前に,ある人が自慢げに見せてくれました。「これ,いいでしょ〜」と持ち出されたのはゲームボーイアドバンス。当時はまだ手に入りにくい頃だったから,いーなーいーなーと思ったところ,私以外の皆さんは「そ,そんなのあったっけ?」。やだなぁ,もう発売してますよー,と言おうとして……え? 確かに。そのゲームボーイアドバンス,なんというか「漆黒」の,ブラックモデルだったんです。……そんなの,売ってませんよね。 にこにこして,その持ち主が教えてくれました。なんでも携帯ゲーム機や,もちろん携帯電話にも好みのペイントをしてくれる「工房」があるとのこと。そこにお願いして「俺専用オリジナルモデル」にしてもらったのだそうです。 そこが,今回ご紹介する「彩工房」(さい・こうぼう)さん(彩工房)。茨城県は水戸市まで行ってきました。うーん,私のケータイ,どんな風にしてもらおうかなー(私欲)。 ちなみに今回ご紹介するペイント作業をしてもらうと,一般的なメーカーの保証が受けられなくなることもあるとのこと。ご注意くださいね。 ●●●ケータイから,バイクまでみーんな「俺専用」ペイント!事前の取材のお願いの時に「なにぶん,のどかなところですので」なんて言われていたのですが,自然に囲まれたナチュラルな雰囲気の中に「彩工房」さんはありました。早速,工房におじゃましてお話を聞いたのですが,とてもおしゃれな素敵な工房でした。 彩工房は,代表の富田裕二さんがほぼ1人で運営している個人工房とのこと。すでに受注する仕事の量はものすごく膨らんでいるそうですが,経験の必要な作業が多く,しかも品質第一の富田さんは「いやー,辛いんですけど,なかなか分業して任せられるものでもないんですよね」と言います。 まずは,と,これまで手がけられた「作品」を記録されているアルバムを何冊も見せてもらいました。 ブルーのイルカのイラストや,ピンクの桜模様,木目調などなど。そのバリエーションの多彩さにまず圧倒されてしまいました。さらにペイントする対象も,携帯電話が多いものの,バイクのタンクやビリヤードのキューまで,さまざまです。これって,みんな富田さんが塗られたんですか? 「ええ,もちろんそうです。それに,決まったパターンのオーダーってほとんどないんですよね。お願いされる『塗りの対象』もほとんどバラバラですし。毎回研究しながらやっています」 それは裏返すと,どんなデザインでも,どんなものにでも,ペイントできる! ということですよね。俺に塗れないものはない! というその心意気が熱いです。 ●●●サーフボード→ヘルメット→そしてケータイ「彩工房」を興した冨田さんは,以前は電気関係の会社員をされていたとのこと。それ以前の学生時代には,当時まだ珍しかったサーフボードをオリジナルにペイントする会社でアルバイトをしていたのだそうです。 「その頃は,自分がこういうことを仕事にするなんて思いもよらなかったんですけれども,すごく楽しかったんですよね。サーフボードって,普通の人が使うのはほとんど既製品じゃないですか。それをお客さんの好みに応じて塗り分けるんですが,苦労も含めて面白かったんです」 時は,まだまだケータイなんて世の中に存在するずっと前。でも,その頃からなんとなく世の中には「個性」をアピールする風潮が出てきていました。そんな中で,サーフボードというアクティブな世界のお客さんの,自分の自慢のボードに好みのペイントをしたいという欲求を受けて,サーフボードに「個性」を施していた冨田さん。その仕事は面白かったものの,学生時代を過ぎ,一度は普通に電気関係の会社に就職されます。 そして,少し時間が経ったある日のこと。冨田さんは趣味の自動車レースをしていた時に,ふと思い立って,その頃の技術を思い出しながらヘルメットにオリジナルのペイントをしてみたそうです。そうしたら,それが大評判! お願いされてお友達にも塗ってあげたり,それを見た人にも頼まれたり……。 もしかしてこれってお店になるかな,と思い看板を出したところ,「俺専用」がほしい人たちから大好評! いまや独立されて「彩工房」を興すまでになったとのこと。当初はヘルメットペインターとして始めたお仕事でしたが今ではずいぶんと幅が広がっているようです。 ●●●塗れるものは何でも塗ります!「塗れるモノは,何でも塗りますよ。丁寧さと出来栄えには自信あります。でもね,『塗る』って作業は仕事のごく一部で,ほとんどの時間は『塗る』ための下準備と研究なんです。そこを入念にやって,その上で作業にかかるところが大事なんだと思います」 簡単に言うと,
そうしてできあがった完成品は,まるでメーカーの既製品のような出来栄えです。こんな携帯,売っていたかしら? と思ってしまうくらい,自然で,完成度が高いんです。まさに職人技。 特にこの木目なんか,まるで本物みたいです。寄木細工調ケータイ,という感じ。これはパターンをプリントするんでしょうか? 「いえ,それはすべて手で描いています」 え! この木目は手描きなんですか!? と,とてもそんな風には見えません。 「最初『木目調にしてくれ』と依頼を受けた時は,まず時間をもらって,木目の研究をしたんです。柱とかドアとか木目をじーっと見て。そしていろいろ試してみて,やっと木目が描ける自信がついて,その依頼を引き受けました」 富田さんは寄木細工調Macintosh,なんてものまで作られたこともあるとか。ううっ,私のSE/30も塗ってもらいたいです。それにしても,皆さん,この木目が全部手描きだなんて,信じられます? さてさて。次回はその「塗り」のヒミツについてのお話です。俺色,私色のケータイがほしいあなたも楽しみにおまちくださいね。それではまたー,「もばいるのつくりかた」でした! [絵本 智,ITmedia] 連載バックナンバー 関連リンク Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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