「HTC EVO 3D」「HTC View 4G」、LTE対応機も――HTCが最新スマートフォン&タブレットを披露:CTIA Wireless 2011
HTCがAndroid OSを搭載したスマートフォンとタブレットの新機種を発表。3D表示対応のHTC EVO 3Dと7インチ画面のHTC EVO View 4Gの2機種で、いずれも通信方式はWiMAXに対応する。7インチタブレットFlyerのWi-Fiモデルも発表した。
HTCが、3月22日から24日まで米国フロリダ州オーランドで開催されたCTIA WIRELESS 2011に出展し、本イベントに合わせて発表したAndroid端末の新製品や北米市場向けのスマートフォン、アクセサリなどを展示した。
WiMAX/CDMA2000対応の3モデル
HTCが発表した新製品は「HTC EVO 3D」「HTC View 4G」の2機種。いずれも通信方式はWiMAX/CDMA2000のデュアルモードに対応し、北米の通信事業者Sprintから2011年夏の発売が予定されている。両機種とも製品は開発中とのことで、実機はショーケースに入った状態で展示されており、実際に操作を試すことはできなかった。本体サイズは66(幅)×127(高さ)×12(厚さ)ミリ、重さは170グラム。
HTC EVO 3Dは3D表示に対応した4.3インチディスプレイを搭載する。サイズは960×540ピクセル(QHD)で、同社のスマートフォンでは初の超高解像クラスのディスプレイとなっている。OSはAndroid 2.3で、同社独自のUI(ユーザーインタフェース)である「HTC Sense」を採用している。裏面にはツインカメラを備え、3D写真に加え動画も3Dで撮影できる。撮影した写真や動画はHTC EVO 3D本体でそのまま3D表示できるほか、HDMIやDLNA経由で3D対応のハイビジョンTVにも出力が可能だ。
HTC View 4Gは、7インチディスプレイを備えるタブレット。1.5GHzのプロセッサを搭載し、ディスプレイ解像度は1024×600ピクセル。AndroidのOSバージョンは、説明員によると展示品は2.3。ただし製品発売時にはより上のバージョンを搭載する可能性もあるとのこと。UIにはHTC EVO 3Dと同じくHTC Senseを採用している。
本体サイズは112.5(幅)×195.4(高さ)×13.2(厚さ)ミリ、422グラムで、2月に発表された同じ7インチディスプレイを搭載するタブレット「HTC Flyer」の通信方式をWiMAX/CDMA2000に変更した製品となる。ただし通信モジュールが変わったことで、サイズと重さがやや異なるほか、本体のカラーはブラック系の落ち着いた色に変更されている。Flyer同様、付属のペン型デバイスを利用して画面上に文字を書いて操作できる「HTC Scribe」機能も備えている。
HTC Flyerから携帯電話モジュールを省き、Wi-Fiのみを搭載した派生モデルも発表された。北米では大手家電量販店のBest Buyによる独占販売となり、4月から同社店舗やオンラインで販売が開始されるとのこと。なおW-CDMA対応のHTC Flyerオリジナルモデルの北米での発売は、現時点では未定とのこと。
北米向けに“4G”にフォーカスした製品を展開
この他には北米各事業者向けのAndroidスマートフォンも展示されていた。特に重点を置いて展示されていたのは各社の4Gに対応した製品だ。Verizon向けはLTE、Sprint向けはWiMAX、そしてAT&TとT-Mobile向けはHSPA+に対応したそれぞれの“4Gモデル”が展示の中心となっており、展示品は実際のネットワークに接続され、各社の高速な通信回線を実体験することも可能だった。
また北米らしいモデルとして、W-CDMAとCDMA2000に対応した「HTC Merge」も展示されていた。Verizon向けの製品で北米国内はCDMA2000、海外ではW-CDMAとGSMに対応し、全世界で利用できるグローバルモデルだ。Verizonはすでにこのグローバルモデルを複数販売しているが、HTCとしてはこのHTC Mergeが初の対応製品となる。
Windows Phone 7や多彩なアクセサリも展示
HTCはAndroidだけではなく、Windows Phone 7対応のスマートフォンも海外で多数販売している。北米市場でも現在4モデルを販売しており、今回新たにAT&T向けにHTC HD7Sを発表している。Sprint向けのHTC Arriveは同社初のWindows Phone 7搭載機であり、スライド型のQWERTYキーボードを内蔵しているのが特徴だ。
この他には純正の各種アクセサリも多数展示されていた。これだけ製品数が多いと、サードパーティ製のケースが出そろうまでには時間がかかる場合もあるだろう。実際、来訪者の多くが説明員にケースやスクリーンプロテクタの入手方法について相談していた。フルタッチディスプレイを搭載したスマートフォンは傷防止のためケースを装着するユーザーが多く、今後はメーカーが純正ケースを販売する動きが広がるかもしれない。
DLNA非対応のTVやプロジェクターをDLNA対応化するためのアダプター、HTC Media Linkも展示されていた。DLNA対応のスマートフォンに保存した写真や動画をWi-Fi経由でTVなどの大画面で利用できる。スマートフォンを家庭で活用するための有用なアクセサリといえるだろう。
関連キーワード
HTC | htc EVO WiMAX ISW11HT | スマートフォン | HTC EVO | 3D | Android | WiMAX | CDMA | HTC EVO 3D | 通信 | CDMA2000 | AT&T | DLNA | HTC Flyer | ユーザーインタフェース | Verizon | W-CDMA | Windows Phone 7 | CTIA | HSPA+ | HTC EVO View 4G | HTC HD7 | キーボード | LTE(Long Term Evolution) | QWERTY | T-Mobile | HTC Inspire | HTC Surround | HTC ThunderBolt
関連記事
- HTC、3D対応Android「HTC EVO 3D」や7インチタブレット「HTC EVO View 4G」を発表
HTCが米国のオペレーター、Sprint Nextel向けに最新のAndroidスマートフォン「HTC EVO 3D」とタブレット端末「HTC EVO View 4G」を発表した。 - 写真と動画で解説する「htc EVO WiMAX ISW11HT」
データ通信料月6300円で3G/WiMAXの両方が利用でき、追加料金なしでWi-Fiルーターにもなる――。auのAndroid端末「htc EVO WiMAX ISW11HT」は、そんな思い切った仕様が注目だ。一方で、ユーザーにとっていくつか注意すべき点もある。端末の詳細を写真と動画も交えて紹介しよう。 - 動画で見るスマートフォン――「htc EVO WiMAX ISW11HT」(試作機)
ケータイの動作速度はカタログからは分からないが、使用する上で満足度を大きく左右する。特にスマートフォンは、タッチパネルがスムーズに反応するかが重要だ。本コーナーでは、スマートフォンのホーム画面とブラウザの操作感が分かる動画を掲載するので、参考にしてほしい。 - Facebookフォンから軽量タブレットまで――HTCがスマートフォン6機種を披露
HTCはAndroid OSを搭載したスマートフォンの新シリーズ3機種と、FacebookとコラボレートしたFacebookフォン、そして待望のタブレット端末を発表した。 - 素材とUIでスマートフォンを差別化、FeliCaも検討――HTC
HTC DesireやHTC Desire HDなど日本でもハイスペックなAndroid端末を投入しているHTC。海外では好調にシェアを伸ばしているが、日本市場に対してはどんなビジョンを描いているのか。HTCコーポレーションCPOの小寺氏が説明した。 - HTC、盛大なパーティーで新端末やクラウドサービスお披露目
9月15日に英国で華々しいデビューを飾ったHTCの最新スマートフォン「HTC Desire HD」と「HTC Desire Z」のローンチ・パーティーが、改めて10月7日にHTCの本拠地、台湾で開催された。会場は台湾、香港、マレーシア、フランスなどでHTCの端末を提供するキャリアらがはせ参じた。 - “Android新時代”の旗手――ロンドンで見たHTC「Desire HD」と「Desire Z」の実力
HTCが英国ロンドンで発表した「Desire HD」と「Desire Z」は、最新のスペックと高い質感を合わせ持つ、Androidスマートフォンの旗手だ。その存在は日本市場のスマートフォン移行を促す存在にもなり得る。 - HTC、Android 2.2スマートフォン「Desire HD」と「Desire Z」を発表
HTCが最新のAndroid 2.2搭載スマートフォンを英国で発表した。フルタッチスタイルのストレート型端末「Desire HD」と、Z型ヒンジでQWERTYキーボードを格納できる「Desire Z」の2機種だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.