小寺信良のIT大作戦
「今からロボットを現場投入できないか?」 増えた日本企業からの問い合わせ “頭脳”を作る韓国企業が感じた国内の変化(2/4 ページ)
国内企業からの問いの内容が変わった
日本におけるフィジカルAI(身体を持ち実世界の中で行動する人工知能)の未来を象徴する話として、今年下期から急速に国内企業からの問いの内容が変わったという。上半期には「このタスクができるか、できないか」「動画デモを見せてほしい」というレベルの問い合わせが多かった。しかし下半期には、「2年後に現場に入れられるか」「今から現場で実装できるか」「推論速度は何秒までか」「成功率はどの程度か」といった、より実装を前提とした質問に変化してきた。
実際日本社会では、人手不足による倒産や、約10%のコンビニが24時間営業をやめるといった現象が起こっている。こうした社会課題に対して、フィジカルAIによる自動化を進め、日本社会での標準化を実現したいと述べた。
特に力を入れるのが、「人間と同じ5本指ハンド」の制御である。これまでの産業用ロボットは挟んで掴むためのシンプルな2本指のものが多かったが、より柔軟で複雑な人間の作業を代替するには、5本指が不可欠だという。
具体的には、以下のような作業が対象として挙げられた。
- 製造現場における細かな手作業
- 物流領域におけるピッキング
- 宅配ソーティング
- コンビニエンスストアにおける品出し
- 商品の前出し・陳列
- ホテルにおける客室準備や清掃関連作業
- 産業用消耗品の取り扱い
- 自動車メーカーや航空会社における現場作業
これらの作業は、両手の協調や手指の細かな動きが求められるため、従来型ロボットでは対応できなかった。実際に自動化されたプロジェクト、進行中のプロジェクトも紹介された。
実際に動作させるには、現場のデータを収集し、具体的な作業を学習させることが不可欠である。つまり基盤モデルに対して作業データを用いてファインチューニングすることで、性能が爆上がりする。具体的には、作業者の手首や頭にカメラを装着し、作業動作を撮影する。このカメラ映像から、人間の動作データをリアルタイムに収集し、それを基盤モデルの学習に用いる。
よって導入企業とリアルワールドの共同開発は不可欠となる。1つの作業が学習できれば、次の作業学習は早く終わるという特徴がある。学習の蓄積によって、成長速度も加速される。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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