アミューズメント・エキスポに出展したことがきっかけで、投資ファンドから開発費の出資も得られた。製造メーカーも決まった。
昨年12月、製品版のロボキャッチャーを50台出荷した。価格は198万円で、一般的なクレーンゲームの2〜3倍だが、生産が追いつかないほど注文が来ているという。初年度の販売目標台数は200台だ。
「150万円くらいまで価格を下げればもっと売れる」とゲームセンターから言われたが、「ロボットの関節のモーターの価格が高いから、価格をあまり下げられない」
記者もロボキャッチャーに挑戦してみた。操作ボタンは、前進、後進、右旋回、左旋回、つかむ、はなすの6つ。制限時間は店側が設定できる仕組みで、記者が試したときは1分だった。景品は20センチくらいのスヌーピーのぬいぐるみだ。
永里社長によると、1カ所にかためて置かれた景品より、景品の山から離れた場所に置かれたものの方が取りやすいとのこと。穴の近くのぬいぐるみに狙いを定めた。
ロボットをスヌーピーの頭側に周りこませ、抱え上げたが、ほかのぬいぐるみにつまずいて転倒。もう一度チャレンジするが、今度はうまくつかめない。あと20秒。最後にスヌーピーの足をつかもうとしたが、ロボットのアームが空を切った。
残念! ぬいぐるみを取れず悔しかったが、倒れても自動で起き上がるロボットがかわいらしく、女性に人気があるというのも分かる気がした。
「珍しいクレーンゲームなので、お客さんは最初おっかなびっくりという感じ。気軽にトライしてほしい」――ロボキャッチャーの楽しさを知って欲しいとの思いから、YouTubeでロボキャッチャーの試作機の動画を公開している。
今後は、人が近づくとセンサーが感知して、ロボットが手を振る、というデモ機能を追加。客がいなくなると、ロボットが自動で景品を並べる機能も追加したいという。
ロボキャッチャーで、ロボットの新技術も試していく予定だ。「ロボキャッチャーなら失敗しても面白いから、技術をテストするのにちょうどいい」
ロボットがゲーム機に応用できることが分かった今、「ロボキャッチャーを作る前に考えた、ロボットを戦わせるゲーム機も実現させたい」と永里社長の夢はふくらむ。
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