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デジタルサイネージ背負ってあなたも“看板娘”にリテールテック JAPAN 2009

» 2009年03月03日 17時45分 公開
[宮本真希,ITmedia]
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 デジタルサイネージが普及の兆しを見せているが、ディスプレイに広告を表示するだけでなく、歩行者の注目を引きつけるための工夫が勝負の鍵になっているようだ。流通情報システムの展示会「リテールテック JAPAN 2009」(3月3日〜6日、東京ビッグサイト)に、さまざまな工夫が凝らされたデジタルサイネージが出展されていた。

 誰でも“看板娘”になれます――ユーフォニック・テクノロジー(横浜市)が出展していたのは、背負って持ち運べるデジタルサイネージ「Moblie Signboard」。リュックサックの上にアルミパイプが伸び、その先に19インチの液晶ディスプレイが付いている。リュックの中身の詳細は「企業秘密」(説明員)だが、グラフィックスボードやリチウム電池などが入っており、SDメモリーカードから映像を読み込んでディスプレイに表示させる。

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 チラシ配りなどの際に、Moblie Signboardを背負って歩き、商品やサービスを訴求するといったことが可能。「街で『この人に広告を見せたい』と思った時、そばに行って見せながら説明し、ピンポイントで客を引き込める。究極の顧客誘導装置だ」と、説明員はPRする。

 重さは約5キログラムで、バッテリーの持続時間は約1時間半。記者(♀)が背負ってみたところ、最初はずしっと重く後ろに持って行かれる感じがしたが、リュックのベルトを締めて体に密着させ、安定させれば、1時間半くらいは余裕で耐えられそうだった。

 5月に発売する予定で、価格は15〜18万円ほど。防水加工はなく、ディスプレイに直射日光が当たると映像が見えづらいので、屋根のある場所で使用することを想定している。

香りや3Dで注目を

 NTTコミュニケーションズの「Spot Media with 香り通信」は、ウィルコムのモバイル端末「WILLCOM D4」と香り発生装置を組み合わせ、端末に表示する広告映像に合った香りを配信する仕組みだ(「香る電子看板」を商用化 NTTコム

 Spot Mediaの保守管理を担当してる菱洋エレクトロのブースでは、シャンプーの広告映像が流れ、そのシャンプーと同じさわやかな香りが漂っていた。映像だけよりも頭に残りやすそうだ。

 パナソニック子会社のピーディーシーは、46インチの裸眼立体視ディスプレイにビールの映像を配信していた。飲料メーカーのイベントで使ったところ、2Dのデジタルサイネージと比べ、売り上げは2倍に、歩行者が広告を見る時間は3倍に伸びたという。「3D映像は珍しいので、歩行者を引き付けられる」と説明員はアピールしていた。


画像 Spot Media with 香り通信
画像 3D映像を表示するデジタルサイネージ

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