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「空飛ぶ自動車」が初飛行

» 2009年03月23日 09時34分 公開
[ITmedia]

 米航空機会社Terrafugiaは3月18日、同社の空飛ぶ自動車「Transition Roadable Aircraft Proof of Concept」が初飛行に成功したと発表した。

 Transitionは2シーターの陸空両用車両で、空港で離着陸でき、道路も走れるように設計されている。飛行機から自動車への切り替えにパイロットが要する時間は30秒という。時速115マイル(185キロ)で450マイル(724キロ)まで飛べ、地上走行時は高速道路の速度で走行できる。標準的な住宅用ガレージに収まるサイズで、飛行モードでも走行モードでも、一般的なガソリンスタンドで給油できる無鉛ガソリンが燃料となる。

 Transitionは軽量スポーツ用航空機に分類され、操縦にはスポーツパイロットの免許が必要となる。

 初飛行は米ニューヨーク州のプラッツバーグ国際空港で行い、引退した元米空軍予備役のフィル・メテア氏がパイロットを務めた。今後さらなる飛行テスト・走行テストを行い、プレプロダクション試作機を構築し、認定を受けてから提供を始める。予約は受付中という。

 飛行と走行が可能なため、個人用航空機に掛かるコストや手間、天気の影響を減らせるとTerrafugiaは述べている。自動車に備わっている衝突時の安全機構も備えるという。「1918年以来、航空ファンが待ち望んでいたものだ」とカール・ディートリヒCEOは発表文で述べている。

 Terrafugiaは米マサチューセッツ工科大学を卒業した5人のパイロットが設立した企業。「Terrafugia」という社名は、ラテン語の「escape from land(大地からの脱出)」に由来する。

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