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「機能競争は終わった」と小野寺社長 新ブランド「iida」で「次の競争」へ

» 2009年04月07日 16時20分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 かわいらしいハンドバッグ型携帯を照れながら手にした小野寺社長。「iidaはこれまでにない革新的な試みで、au全体への刺激にもなる」と期待する

 「携帯電話の機能競争は終わった。革新性のある試みで、次のステップに進みたい」――KDDIの小野寺正社長は4月7日、同日発表した、新デザインブランド「iida」について「ものすごい期待を持っている」と語った。

 iidaは、同社の20〜30代の若手社員が中心に企画したというデザインブランドで、「innovation」「imagination」「design」「art」の頭文字から取った。外部デザイナーと協力し、個性的なデザインの端末や周辺機器などを、4月下旬から順次発売する(→新端末の写真リポート)。

 携帯電話の国内普及台数が1億台を超え、成長は頭打ち。新販売制度の導入で端末価格が上がり、買い換えサイクルも長期化する中、auは特に苦戦を強いられてきており、「昨年は厳しい1年だった」と小野寺社長は振り返る。

 iidaブランドで実験的かつ多彩なデザインの端末を投入し、多様化するユーザーニーズの探知機にしていく。「デザインのau」のイメージを回復させ、次の成長につながるステップとしたい考えだ。

 「携帯電話は次の競争に入る。今後は時計や眼鏡と同様、場所に適した端末を持つ時代が来る」と小野寺社長はみており、ユーザー個々のライフスタイルに合った多様な端末を投入することで、2台目、3台目需要を開拓する。

iidaを「デザインプラットフォーム」に 多様な商品展開

 第1弾端末の「G9」は、スタイリッシュな端末を「道具」として使いこなしたいビジネスマンなどがターゲット。機能性よりもデザインを重視したアーティストコラボレーションモデルも投入するほか、部屋のインテリアと溶け合う周辺機器や、携帯電話専用プロジェクターといった先進的な周辺機器も発売していく。


画像 G9
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画像 草間彌生さんが手がけた「私の犬のリンリン」
画像 突起だらけの端末「ドッツ・オブセッション」も、草間さんがデザインした
画像 「宇宙へ行くときのハンドバッグ」は、見た目はハンドバッグそのもの。草間さんデザイン

 ハイエンド端末のみを投入してきたau design projectと異なり、iidaはロースペックの端末や周辺機器もカバー。端末だけでなく「ユーザーの暮らしもデザインする」としている。「iidaは1つのデザインプラットフォームとして、さまざまなデザイナーと協力していく」(高橋誠コンシューマ事業統轄本部長)予定。au design projectはiidaに吸収する。

 端末開発費の高騰がメーカーの負担になっているとされているが、小野寺社長は、「お金がかかるのはソフトの開発。iidaはソフトなどは既存のものを使い、デザインで差別化するため、大きな負担にはならない」という認識を示した。

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