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Google、次期Android OS「Donut」を披露ユニバーサル検索やテキスト読み上げ

» 2009年06月01日 15時04分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 検索最大手の米Googleは、サンフランシスコで開催された開発者向けカンファレンス「Google I/O」において、AndroidモバイルOSの次期バージョン「Donut」のプレビューを行った。

 3〜6カ月後に登場するとみられるDonutは、「Android 2.0」のコードネームだ。同OSの最新の開発ブランチは「Android 1.5」で、これは「Cupcake」というコードネームで呼ばれている。情報筋によると、Donutの次に予定されているAndroidのバージョンは「Eclair」というコードネームになるようだ。これは、焼き菓子の名前をアルファベット順に採用するという同社の最近の命名方式に沿ったものだ。

 5月27〜28日に開催されたGoogle I/Oにおいて、Google担当者はDonutの新機能の一部を披露した。その1つがユニバーサル検索機能だ。これは、アドレス帳、予定表、音楽などをローカルデバイス上とインターネット上で一元的に検索する機能である。Donutでは、新しい音声合成APIを利用したテキスト読み上げ機能もサポートする。これにより、Google Voice Searchを使った情報検索が可能になる。

 デバイス内検索とWeb検索の統合やテキスト読み上げ機能に加え、DonutはAndroid携帯電話上での手書きジェスチャーをサポートするほか、異なる言語間で文章の翻訳を行う「Google Translate」なども搭載する。

 Androidの新機能はGoogle I/Oに参加した開発者の間で好評だったが、これらの機能強化は改良にすぎないという指摘もあった。

 ニューヨークの設計・開発会社Oliver Coadyでモバイルアプリケーション開発を担当するネイサン・フレイタス氏は「強化された検索機能は便利そうだが、この機能はアプリケーションのアドオンを通じて既に利用可能だ」と話している。

 さらにフレイタス氏は「Apple NewtonのオーナーでPalmの元従業員という立場から言わせてもらえば、手書きよりもジェスチャー機能を充実してもらいたい。手書き機能はもう使う気になれない」と付け加える。同氏はPalmでJava開発の責任者を務めていた。

 一方、ニューヨークに本社を置くBrandorrでモバイルOSを担当する開発者のブライアン・グプタ氏は「Google I/Oで披露されたDonutの機能は確かに便利だが、これらは基本的に革新というよりは改良にすぎない。これがリリース2.0になるといううわさが本当だとしたら、Googleが何か隠しており、数カ月中にその詳細が明らかにされると考えざるを得ない。Google I/OでのAndroidに関する最大のニュースはDonutではなく、今年、多数のAndroidデバイスのリリースが予定されているということだ。ついに全世界で20機種に達するのだ」と話す。

 GoogleはDonutモバイルOSのプレビューに加え、ロックを解除したGoogle Android携帯端末を参加者全員に無償配布した。カンファレンスには3500人余りの開発者が参加した。

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