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SNSは「バカが支配している」――NINのトレント・レズナー

» 2009年06月12日 12時08分 公開
[ITmedia]

 ナイン・インチ・ネイルズ(NIN)といえば、アルバム無料ダウンロードやツアービデオのBitTorrent配信などWebを活用しているアーティストとして知られているが、フロントマンのトレント・レズナー氏がソーシャルネットワーキングサイト(SNS)をやめると宣言した。

 レズナー氏は公式サイトのフォーラムへの6月10日の書き込みで、「SNSをやめる。大局的に見れば益よりも害の方が多いし、これまでの(Web活用の)実験の結果は出たようだから。バカが支配している」と述べている。

 同氏はWeb活用の実験を始めた理由として、従来のレーベルのインフラと決別して、Webという新しい世界で何をすべきかを見出すに当たって、「コミュニティーと交流し、彼らの欲しいものを知るためには、自分自身がその世界に没入する必要がある」と考えたからだと語っている。Twitterで本当の自分を見せたときには、イメージと違っていてがっかりしたというファンもいたが、「すべて想定内」だったという。

 だが同氏はネット上でコミュニティーと交流する上での問題として、ゴミやノイズが多いという点を指摘している。例えばnin.comには1日に50〜100通の妄想的な脅迫メッセージを送ってくる人がおり、こうしたノイズへの対策は「退屈で労力の無駄だと感じる」と話している。また、同氏の婚約者への「憎悪を吐き出す」Twitterアカウントが毎日のようにできていることも挙げている。

 「主流のソーシャルネットワークは高い値段で身売りするためにユーザーを増やすことばかりに腐心し、ユーザー体験の質など気にしていない。わたしたちはそういう世界にいる」(同氏)

 レズナー氏は先月、「インターネットのアカデミー賞」とも言われるWebby賞で「Webby Artist of the Year」を獲得したばかり。

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