99の中小出版社で構成する出版社団体・出版流通対策協議会(流対協)は9月2日、会員企業など49社が、Googleブック検索和解案から離脱すると発表した。離脱を表明する文書を、米国南ニューヨーク地区連邦地裁あてに、8月28日付けで送付。「Googleが書籍を無断でスキャンした行為は著作権法違反であることは明白」と強く批判している。
文書には、Googleブック検索和解案の却下を求める旨もあわせて記載。和解案からの離脱表明の期限・9月4日に間に合うよう送った。賛同企業は現時点で76社に増えており、今後も賛同を呼び掛ける。追加の賛同企業からの文書は、和解案の承認を決める10日7日の公聴会までに、同地裁に改めて送る予定だ。
文書で流対協は、「Googleが商用目的で、著者や出版社に無断で書籍をスキャンする行為は日米の著作権法に違反している」などと指摘。「和解案は米国外の著作権者をまったく配慮しておらず、日本の権利者に正式な通知もない」と訴え、「和解案から離脱することで、Googleを訴える権利を保持する」と述べている。
9月2日に開いた会見で、流対協の高須次郎会長(緑風出版社長)は、「和解案は日米の著作権法に違反した違法行為で、泥棒、海賊行為だ」と強く批判した。
和解案は米国内でのサービス提供のみを対象にしているため、国内では特に問題にならないとみる向きもあるが、「和解案の文中では場所も時間も限定していないため、和解案に参加してしまえば、日本国内でサービス提供が始まっても文句が言えなくなる。和解参加は日本の出版産業の自殺行為」と述べた。
Googleが取り組んでいる絶版書籍のアーカイブ化は、「Googleのような私企業が商業目的で行うのは適当ではない」とも主張。ユネスコや国会図書館などの公共機関が行うべきと話した。
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