米Intelが来週開催する開発者向けカンファレンス「Intel Developer Forum(IDF)2009」では、「Jasper Forest」や「Westmere」などの新プロセッサ(いずれもコードネーム)がお披露目される。
Intelのデジタルエンタープライズ部門担当副社長兼ジェネラルマネジャー、スティーブ・スミス氏によると、Jasper ForestはNehalemマイクロアーキテクチャをベースとした、組み込みやストレージ、通信機器向けのプロセッサであり、来年初めのリリースが予定されている。
一方、Westmereは32ナノメートル(nm)プロセスを用いて製造される予定のプロセッサで、スミス氏が取材に応じて語ったところによると、開発はスケジュールどおりに進んでおり、2009年第4四半期には量産が開始される見通しという。
IDF 2009は9月22日〜24日の3日間にわたり、サンフランシスコで開催される。Intel幹部は来場者数を5000人程度と見込んでいる。
スミス氏によると、Jasper ForestはNehalemアーキテクチャのリーチを拡大することになるという。Nehalemアーキテクチャが最初に発表されたのはほぼ1年前のことだが、45nmプロセスで製造されるクアッドコア(4コア)のJasper Forestプロセッサの登場により、Nehalemアーキテクチャは組み込み分野に進出することになる。Intelは2008年に組み込み市場で約10億ドルの売上高を上げており、この分野で今後年率15〜18%の成長を見込んでいる。
Jasper ForestがベースとするのはIntelのNehalemアーキテクチャだが、このアーキテクチャが最初に採用されたのは2008年11月にハイエンドPC向けにリリースされたプロセッサにおいてだ。その後、今年3月には2ソケットのサーバ向けのNehalemプロセッサがリリースされ、9月8日にはメインストリームのデスクトップPCとノートPC向けにLynnfieldプロセッサが追加されている。
4個以上のソケットを装備したサーバ向けのNehalem EXプロセッサは今秋にリリースされる予定だ。
スミス氏によると、Jasper ForestにはI/Oハブが統合されており(現行のプロセッサではボード上に別個にI/Oハブが必要となる)、システム消費電力が27ワット削減されるため、企業はシステムのライフタイム(通常7〜10年)にわたって最大200ドルを削減できるという。
さらにこの統合型のI/Oハブにより、企業は不動産コストと電力コストを削減でき、サーバの統合比率は4対1という。
「今と同じ技術をエネルギー消費量をより少なく、フットプリントをより小さく装備できることになる」とスミス氏。
Jasper ForestはルータやVOIP(ボイスオーバーIP)などの通信機器のほか、SAN(ストレージエリアネットワーク)やNAS(ネットワーク接続ストレージ)などのストーレジ環境向けに設計されている。
つまり企業は今後、これまで非Intel系のプロセッサでしか実行できなかったようなタスクをIntelアーキテクチャのプロセッサを使って実行できるということだ。
Westmereプロセッサをスケジュールどおりに市場に投入できれば、Intelは32nmプロセッサでライバルのAMDに先んじることができる。AMDが独自の32nmプロセッサをリリースするのは2010年の中盤以降とみられている。
スミス氏によると、新しい製造プロセスに移行することで、Westmereプロセッサは45nm世代の同等プロセッサと比べて、ワットあたりのパフォーマンスが向上する。Intelは45nmプロセスのプロセッサを2007年12月に最初にリリースしており、それ以来この2年で2億個以上の45nmプロセッサを出荷している。
さらにスミス氏によると、WestmereプロセッサはCPUが最適化された高性能システムだけでなく、MID(モバイルインターネットデバイス)などのSoC(システム・オン・チップ)デバイスにも対応するという。Intelが本格的なSoCプロセス技術を開発するのはこれが初めてであり、この技術では消費電力やリーク電流を低く抑えられるという。
またIntelはこれらの新プロセッサに、リーク電流の削減を実現する第2世代のhigh-kメタルゲートトランジスタを採用する。
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