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「LED AQUOS」4機種発表 新パネル&LEDバックライトで高画質化

» 2009年09月29日 14時20分 公開
[ITmedia]
photo LED AQUOSを発表する松本副社長(右)

 シャープは9月29日、液晶テレビの新製品「LED AQUOS」を11月10日から順次発売すると発表した。コントラスト比などを高める技術「UV2A」による新パネルとLEDバックライトを組み合わせ、画質と省エネ性能を向上させた。今後、LEDバックライトの搭載機種を拡大し、2010年度には大半の製品で採用する計画だ。

 発売するのは「LX」シリーズの4機種で、フルHD対応の60V型、52V型、46V型、40V型。オープン価格で、実売予想価格は60V型が55万円前後、52V型が45万円前後、46V型が35万円前後、40V型が25万円前後。

 UV2A(Ultraviolet induced multi-domain Vertical Alignment、ユーブイツーエー)技術で生産した新パネルを全機種で搭載する。液晶分子の向きを紫外線を使って高精度に制御する「光配向技術」により、パネルのコントラスト比と応答速度、光利用効率(開口率)を向上させる技術で、同社が世界で初めて量産化した新技術だ(「液晶技術者30年の夢」 シャープ、「次元の異なる」新技術で高画質パネル量産へ)。

 液晶ディスプレイのバックライトは冷陰極管(CCFL)が一般的だが、LEDバックライトはきめ細かな明るさ制御が可能な上、応答速度も高速。さらに光拡散技術の搭載により、画面全体をむらなく照らせるという。新パネルと組み合わせることで、テレビセットとして表現できるコントラスト比(テレビコントラスト比)を200万:1に高め、黒の表現力が増しているという。

 新パネルの開口率と、LEDの発光効率の高さを組み合わせで消費電力も削減。52V型の消費電力は192ワットと、昨年6月に発売した従来機種と比べ34.1%削減できたとしている。

photophoto LED AQUOSは新パネルとLEDバックライトを搭載することで、テレビコントラスト比がと省エネ性が向上

 新たに画像処理回路LSIを開発し、「AQUOS高画質マスターエンジン」に搭載した。動きのある映像をクリアに見せる「Wクリア倍速」と、LEDバックライトのオンオフで動画の残像感を低減する「スキャン倍速」の組み合わせで、さらに動画をくっきりと表示できるという。ユーザー好みの画質に自動調整するという「好画質センサー」も搭載した。

 この日の発表会で、松本雅史副社長は「シャープが長年蓄積してきたLED技術、液晶技術、テレビ技術を高度に組み合わせて初めて誕生した」と自信を見せた。AQUOS発売10年目を迎える来年には、新パネルとLEDバックライトを搭載した機種を大幅に拡大していく考えだ。

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