ソニーが9月に発売した新しい薄型プレイステーション 3(PS3)は、これまでのモデルに比べてコストが下がっており、推定336.27ドルに抑えられている。米調査会社iSuppliが12月11日に分解調査の結果を報告した。
この新型PS3は原価336.27ドルに対して価格は299ドルで、依然として原価割れの状態にある。だがiSuppliによると、赤字の幅は従来機種と比べて縮まっているという。例えば、最新モデルの赤字幅は31.27ドルで、前の世代の機種は推定49.72ドルだった。ソニーは2006年にPS3を発売して以来、ハードの赤字をゲームソフトの販売とロイヤルティーで補ってきたが、新モデルを投入するごとにコストを削減してきたとiSuppliは述べている。
新型PS3ではコスト削減への取り組みとして、全体的な設計を変更し、部品数を4048個から2568個へ減らしている。またプロセッサは65ナノメートル(nm)および45nmプロセスを採用して製造コストを引き下げた。これによりプロセッサの消費電力も減少したという。
iSuppliの分解調査による新型PS3の原価(推定)の内訳は以下の通り。
部品 | メーカー | コスト(ドル) |
---|---|---|
Blu-rayドライブ | 66 | |
Reality Synthesizer | NVIDIA(ラベルはソニー) | 45.82 |
120GバイトHDD | 東芝ストレージデバイス | 38 |
IBM Cell Boradband Engine | IBM(ラベルはソニー) | 37.73 |
電源 | 20.35 | |
冷却部品 | 11.27 | |
DRAM(XDR、512メガビット) | Samsung | 9.80 |
無鉛6層FR4 | Honghuasheng Precision Electronics | 8.47 |
I/Oブリッジコントローラー | ソニー | 5.59 |
Bluetoothおよび無線LAN | Marvell Technology | 3.92 |
その他 | 79.52 | |
部品コスト合計 | 326.47 | |
製造・テスト費用 | 9.81 | |
原価合計 | 336.27 | |
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