Twitterを使って情報発信する国会議員が増えている。与野党折衝の現場をほぼリアルタイムに伝える議員や、「国会にPCを持ち込み、リアルタイムにつぶやく」と宣言する議員も登場。「情報源が増え、画期的」と歓迎する声がある一方で、「議員は議論に集中すべきだ」という批判もある。
1月25日、みんなの党の柿沢未途(みと)衆院議員(@310kakizawa)が、Twitterで衆院予算委員会理事会の様子をリポート。「予算委理事会続行中につき、委員会開会遅れてます」と報告したり、議論の様子に意見を交えてつぶやいていた。柿沢議員によると、理事会はマスコミにも非公開で、本人は発言権のない「陪席」という立場で参加。Twitterは携帯電話を使って休憩時間中に更新したという。
この試みを「画期的」と評価する声もある一方、批判的な内容を含む報道もあり、柿沢議員は「多方面からご注意をいただいた」という。「国会における議論の様子を国民の皆様にお知らせする事は無条件に良い事だと思っていたが、配慮が足りない面があったのかもしれない。改善を図りつつTwitterを続けていきたい」と反省の弁を述べている。
「国会の委員会、本会議中も議員が、リアルタイムでどんどんつぶやきべき。国会のヤジも重要だが、つぶやきが増えればヤジ以上に重要になる」――Twitter議員の先駆けで、昨年の衆院選で「当選確実なう」と投稿して話題になった民主党の逢坂誠二 衆院議員(@seiji_ohsaka)は25日夜、「次回、私が出席する委員会、もしくは本会議にPCを持ち込んで呟(つぶや)いてみます」とTwitterで宣言した。
逢坂議員は、「国会では、たぶん国民の皆さんが想像される以上に建設的かつ深遠な議論が戦わされてています。しかし、その実態が多くの皆さんに伝わっていません。良い悪い、色々とありますが、とにかく国会の現実を伝えねばなりません」などと投稿。「委員会や本会議での呟きは、たぶん、自説に偏った呟きになるだろうだう。でもそれでよい。それが議論の出発点なのだから。とにかく活発な議論の土台を作ることが大事なことだ」と述べ、国会や委員会で質問や演説している議員以外の多数の議員が質疑に対する思いを表現するためにもどんどんつぶやくべきという意見を披露した。
逢坂議員は今後、PCの持ち込みが可能かどうかを確認した上で、委員会か本会議参加中に、批判覚悟でTwitterをリアルタイムに更新するという。
Twitter議員による“国会中継”をどう思うか――ITmedia NewsのTwitter(@itmedia_news)で聞いてみたところ、賛否両論が寄せられた。
賛成派からは「情報源が増えるのは大歓迎」「政治に関心のある若者が増える」「居眠りよりずっといい」「ヤジの代に反論をツイートすると素敵」といった意見が寄せられた。反対派からは「議論に集中してほしい」「議員はリポーターではない」という意見が挙がった。
インターネットユーザー協会(MIAU)が昨年8月に「ニコニコ動画」で行ったアンケートでは、「国会の本会議や委員会で、政治家にPCや携帯電話を情報発信に積極的に活用してほしいか」という問いに対して、「それより議論に集中して」と答えた人は48%と、「活用してほしい」と答えた人(38%)より多いという結果だ。
政治家本人は議論に集中してほしいが、秘書や“Twitter書記”など別の人に実況してほしいといった意見も。政治家によるTwitter利用が広がってくる中で、今後も議論が続きそうだ。
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