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絵が描けなくても漫画が簡単に制作できる“夢のソフト”「コミPo!」製品化へ(3/3 ページ)

» 2010年10月15日 21時16分 公開
[ITmedia]
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田中圭一さん「誰にでも漫画で表現する快感を」

photo 田中圭一さん

 同ソフトの製作委員会は、ゲームメーカー向け画像ソフトなどで知られるウェブテクノロジ内にある。委員長を務める同社取締役の田中圭一さんはギャグ漫画家。二足のわらじをはく「サラリーマン漫画家」として知られ、下ネタの連発や手塚治虫の絵柄のパスティーシュといったユニークな作風にファンも多い。

 田中さんは「ずいぶん前から、絵を描けない人にも漫画で表現する快感を味わってもらうための構想があった」と話す。実際にプロトタイプの開発が始まったのは2008年4月で、09年1月ごろにできあがったという。

 最近、同ソフトの特徴やモノクロの漫画を制作する様子などがYouTubeなどで先行公開されて話題になったが、これはモノクロ作品を前提にしていたプロトタイプだったという。製品版では、漫画を描いてみたいけれど絵は苦手ならライトユーザーが漫画や小説の挿絵を作成し、Webサイトで発表するためのツール──というコンセプトを固め、当初予定していた3D背景など初心者には複雑な機能を省く一方、ユーザーインタフェースは初心者向けに簡略なものとし、基本的にフルカラーで漫画を作成するツールになった。

 「ソフトのアイデア自体は誰でも思いつくだろうが、あらゆる漫画に対応するためには、国語辞典の内容を全部モデル化しなければならない」(田中さん)。同ソフトでは、ニーズが高いと判断した学園に舞台を絞り込むことでこの問題をクリア。さまざまな試行錯誤をへて、製品化にこぎ着けたという。

 3Dキャラクターをゲーム会社が販売したり、企業キャラやご当地キャラクターをモデル化し、漫画に使ってもらうといったビジネス展開も期待している。3Dモデルの仕様は公開しておらず、ユーザー作成モデルは取り込めないが、今後要望を聞きながら対応を検討したいという。

 作品の出力はJPEGかPNGの画像だが、Web公開を前提としたため、出力解像度は最大で縦1500ピクセル程度。同人誌など印刷物の原稿に使うには解像度がやや足りない。PDF出力などの要望があれば、今後のバージョンアップなどで対応したいとしている。

 田中さんは「ライトユーザー向けか、プロユースへ進化するかはわれわれが決めることではないと思っている。ユーザーの声を聞きながら舵を切っていきたい」と話し、ユーザーによる利用の広がりを期待している。

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