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NECとMS、Intelがデジタルサイネージ事業で戦略的提携

» 2010年11月10日 16時43分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 NECと米Intel、米Microsoftは11月10日、デジタルサイネージ事業で協業すると発表した。新型のデジタルサイネージシステムの開発に加え、広告配信や効果分析に関するソリューション提供を含めた戦略的提携になると3社では説明している。

 IntelとMicrosoftは、今年1月にデジタルサイネージ機器の標準プラットフォームやデモシステムの開発で合意。10月にその標準仕様となる「Open Pluggable Specifications」(OPS)を発表した。今回の協業では、NECがOPSに準拠した制御装置と同社のディスプレイを組み合わせたシステムを新たに開発する。NECが「PanelDirector」のブランドで国際展開するほか、3社共同でマーケティングや販売活動も行うという。

協業を発表したMicrosoft Webマーケティング グループマーケティングマネジャー ジョン・ボラディアン氏、Intel 小売・デジタルサイネージ担当部長 ホセ・アヴァロス氏、NEC 通信・メディアサービスソリューション事業部長 高石勝氏(左から)

 デジタルサイネージ機器の市場動向について、NEC 通信・メディアサービスソリューション事業部長の高石勝氏は、従来の情報表示端末という位置付けから、プロモーションメディアのためのシステム、さらには効果分析を含めた広告メディアビジネスのプラットフォームとしての役割を担うようになりつつあると説明した。

 現在のデジタルサイネージ市場では、システムの開発やメンテナンス、広告コンテンツの制作や配信、効果分析といったデジタルサイネージに関わるさまざまなソリューションが多数のベンダーから提供され、製品やサービスが乱立状態にあるという。

 Microsoft Webマーケティング グループ マーケティング マネジャーのジョン・ボラディアン氏は、「ユーザーにとって必要とされるソリューションの要望が高まりつつある」とコメント。また、Intel 小売・デジタルサイネージ担当部長のホセ・アヴァロス氏は、「NECのような包括的なソリューションを提供できる企業と組む意味は非常に大きい」と話し、それぞれに協業の重要性を強調した。

 NECが開発するシステムは、OPS準拠の制御装置とIntelのCore i5もしくはi7のプロセッサを搭載し、OSにMicrosoftのWindows Embedded Standard 7を採用する。また、効果分析のアプリケーションとしてNEC製のツールやMicrosoft SQL Server 2008 R2の分析ツールを内蔵する。

 これらを組み合わせたシステムは、本体サイズが小さく、設置面積が少ないという。OSの機能によって、立体的な動画像やダイナミックなコンテンツの配信・再生、視聴者と広告主の双方向の情報交換といったインタラクティブ性の高い広告展開が可能。Intelのハードウェア技術でシステムの保守やメンテナンスの作業を遠隔地から行うことができ、システムの運用負担も軽減されるとしている。

 NECはシステムの製造・販売だけでなく、広告コンテンツの制作・配信・効果分析サービス、システム運用のアウトソーシングサービスを提供する計画で、今後3年間に650億円の売り上げを見込んでいる。

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