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低価格で攻勢のAndroid 50ドルの「大衆価格」スマートフォンも(2/2 ページ)

» 2010年11月18日 08時20分 公開
[Wayne Rash,eWEEK]
eWEEK
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 これを世界的な影響という点で考えると、Androidにとって大成功になることはたやすく理解できる。米国の多くのスマートフォンユーザーにとっては価格は主な購入動機にはならないが、同国ほど裕福でない世界の地域では、大衆向けスマートフォンはビジネスの点でも知識へのアクセスという点でも大きな影響をもたらし得る。iPhoneとそのエリートユーザーはそれを知ることはないだろう。

 Verizon Wirelessは米国を広く押さえており、T-Mobileは世界に展開しているため、低価格Android携帯は単なる興味深いクリスマスプレゼント候補にとどまらない。このようなデバイスは、あらゆる場所でビジネスのやり方を変える可能性がある。

 携帯電話は既に、米国や西欧以外のところで、ビジネスに大きな影響を及ぼしている――漁師がその日捕まえた魚を市場に持ち込むときに価格を決められるようにしたり、徒歩での移動に頼っていた小規模企業にコミュニケーション手段を与えたりしている。真に安価なスマートフォンがこうしたビジネスをどう変えるかを想像してみてほしい。

 だからといって、iPhoneや高額な競合機種が企業にとって間違った選択肢だということではない。誰にとっても適切な選択肢というわけではない、ということだ。スマートフォンを使った情報やサービスへの新たなアクセスが広がれば、路線バスの到着時間などの日常的な情報から、必要な商品を扱っている業者の検索まで、多くの点で暮らしが変わるだろう。こうした機能は既にスマートフォン市場のほとんどで提供されているが、これまで多くの人がその市場から締め出されていた。それが変わるのだ。

 では、そうした事情がどういうふうに、Androidが今年iOSを追い抜いたこと、来年Nokiaを追い抜くであろうことの説明になるのだろうか? その答えは極めて明白だ。新しく、非常に大きな市場を一度開き、その結果需要を作り出せれば、多くのスマートフォンを売れる。

 世界市場では長らくNokiaがリードしてきた。それは主に、各国で安価な携帯電話を多数販売しているからだ。だが同社のスマートフォンは、特に安いわけではない。新しい低価格Android携帯は非常に安価で、これまで満たされていなかった、この種のデバイスへの巨大に違いない需要をきっと満たすだろう。Appleは、エリート向けの端末以外のものにたどり着かない限り、この分野ではチャンスはない。いつでも「つながる」ことのできる大きな世界がある。低価格Android携帯はそのつながるになる手段かもしれない。

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