Googleが最新版Androidの43のファイルで、Oracleの保有する著作権付きコードを利用した可能性があると、知財専門家が指摘している。
しかし、この問題を調べたテクノロジー通のブロガーは、この専門家の主張に異を唱えている。
Oracleは8月12日に、GoogleがAndroidでJavaに関する7件の特許とその他著作権を侵害したとして訴訟を起こした。Oracleは2010年1月にSun Microsystemsを買収した際に、Javaの特許に関する権利を取得した。
GoogleはJava特許に関してSunとライセンス契約を結んだことはないが、AndroidにJavaソフトを実装している。Oracleは、「Googleは積極的にAndroidを配布し、製品やアプリのメーカーに採用を推進した」と主張している。
25年間知財の研究をしているフロリアン・ミューラー氏は、GoogleがAndroidの最近の2つのバージョン「Android 2.2 Froyo」「Android 2.3 Gingerbread」で、Javaのコードを無断でコピーしたケースが43件見つかったとしている。
同氏は、Googleの出荷したコードとオリジナルのJavaコードを含むOracleの修正後の訴状を読んで、FroyoとGingerbreadで、GoogleがJavaのファイルをコピーしたことを示すファイルをさらに6つ発見したとしている。
同氏はまた、Sunの「機密情報」というマークが付いた37のファイルと、「配布厳禁!」と記されている著作権に関する注意書きのファイルを発見したとも述べている。
「Googleがこれらコードのライセンスを受けている(これらの警告文の内容や語調を考えると、その可能性は低そうだ)のでなければ、これは新たな侵害だ」とミューラー氏は1月21日のブログで述べている。
Oracleの主張が有利になるのはこの点だと同氏は語り、一部の評論家はGoogleの弁護を過大に評価しており、Oracleが証拠をねつ造していると解釈していると付け加えた。
Googleは10月に、Oracleの主張を否定し、同社は長年オープンソースソフトを支援した末、自社のOSを選び出していると語った。
Googleの広報担当者はコメントを控えたが、いくつかのブログが同社を擁護している。
オープンソースソフトを専門とするZDNetのブロガー、エド・バーネット氏は、ミューラー氏が挙げたコードの一部は単なるテストコードであり、端末には搭載されないと主張している。ほかのコードは単に誤って入れられたものだという。
コピーされたコードはOracleの主張を明確に裏付けるものではないはずだというのがバーネット氏の論点だ。Ars Technicaのリャン・ポール氏も同様の意見だ。
「だらしない間違いだが、深刻あるいは打撃をもたらすとは到底言えない。最悪の場合でも削除要求で済むものだ。背景事情を無視してコードを見た人は決定的な証拠と思うかもしれないが、そうでないのは確かだ」
ポール氏は、問題のコードは実際にはAndroidに搭載されて出荷されていないが、「GoogleがAndroidのコードリポジトリにこのコードを入れているのは、確かに印象がよくない」と認めている。だが、SunのコードをAndroidプラットフォームに直接コピーして出荷していることにもならないとしている。
だがEngadgetのニレー・パテル氏はミューラー氏を支持している。「現状の著作権法では、ソースコードツリーがどう展開しているか、あるスクリプトに別のライセンスが適用されているかどうか、これらのファイルが端末に組み込まれているかどうかについて例外は設けられていない」ためだ。
この訴訟にかかっているものは大きい。GoogleがOracleのJavaの商標と著作権を侵害していると判断されたら、同社はコピーされたコードを含む数百万台のAndroid端末について、Oracleにライセンス料を払わなければならない。
そうなれば、GoogleとHTC、Motorola、Samsungなどの提携端末メーカーに数千万ドルのコストがかかる可能性がある。これはGoogleが3年あまり前にAndroidをオープンソースとして立ち上げたときに想定していなかったことだ。
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