ITmedia NEWS > ネットの話題 >

日本人は“共食い”がお好き? 言われて気付く、身近な共食いキャラ(2/2 ページ)

» 2011年08月22日 18時24分 公開
[ITmedia]
前のページへ 1|2       

 日本食文化の独特な一面である駅弁の共食いキャラに注目する人もいる。「80s岩手県のバスその頃」というサイトの「裏サイト」では、日本全国13駅の18種類の共食いキャラを使っている駅弁が紹介されていた。共食いキャラは日本中地域を問わずに発見できることが分かる。

 共食いに気づいた人々の反応はどうか。都内の早稲田大学キャンパスでの12人に聞いてみた。「一見で分かる」「可愛くて印象的である。明るいキャラでいい食事ムードを作る」「日本人は共食いに対して無自覚である。深く思わないからだ」といった声があった。指摘して初めて、今まで気づかなかったとこに気づき、またそれについて考える人が多かった。

海外の共食いキャラ

 それでは海外には共食いキャラは存在するのだろうか。

 中国は食文化の繁栄の大国だが、案外と共食いキャラがあまり使われていない。唯一思い出せる有名な共食いキャラはしゃぶしゃぶ文化から生まれた羊のキャラクター(最近日本各地に進出した小肥羊のマーク)である。日本と韓国の専門料理店とは違い、中国の一般料理店のほとんどは総合的な料理を提供している。共食いキャラを使おうとしてもひとつの看板では難しい。食文化面での根本的な違いが、食大国の中国で共食いキャラが見つかりにくい要因だ。

 欧米でも共食いキャラは少ない。アメリカに留学した大学時代の同級生に聞いてみると、留学期間には共食いキャラの看板を見たことがないとのこと。イタリアのミラノに留学している同級生も、昨年の夏休みにヨーロッパ6カ国を2カ月に渡り旅行してきた早大の友人も、共食いキャラについてあまり記憶にないと話している。欧米に共食いキャラはいないのか。

photo

 インターネットを調べると「suicide food」(自殺フード)という言葉を見つけた。自分が自分を焼いたり、ナイフで切ったり、仲間たちに殺されていたりする看板だ。“自殺キャラ”に関するサイトは2006年に開設され、現在850件を越える自殺キャラを紹介している。

 サイトのサイドに「Diagnosis」というカテゴリがある。日本語に訳したらこうなる。「自殺フードはなに?自殺フードとは自ら自分自身が消費されることを望んでいる動物のことである。この動物たちが自分の消滅に意志的に参加し、あるいは祝っている。彼らは圧制者(人間)とも共感し、退廃的な社会の先導者である……」強烈な皮肉を感じさせる文章である。

 一方で、韓国は日本に負けないほど共食いキャラを使っている共食いの先進国である。その一番の理由は韓国焼肉文化の繁栄にある。韓国は豚肉の料理に誇りを持っているようで、海外へのPRを続けている。キャラデザインの実力、そして韓国人のエンターテインメント至上の性格と結びついた結果、より明るい、可愛い共食いキャラが誕生している。そして、深夜でも空席なしの焼肉屋さんの店頭では、豚さんが仲間を売り続けている。

関連キーワード

日本 | 中国 | | 動物 | 料理 | 擬人化


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.