Mozilla Foundationは6月26日、Android向けWebブラウザの最新版「Firefox 14」の正式版をGoogle Playで公開した。Flashの再生に対応したほか、従来版(Firefox 10)と比較してWebサイト閲覧時のスクロール速度を約2倍、HTML 5 Canvasの処理を約3倍に高速化したという。Android 2.2以降を搭載したスマートフォンで利用できる。
新バージョンは、約半年の開発期間をかけて「ユーザーインタフェースのコードをJavaで書き直した」(Mozilla Japan テクニカルマーケティングの浅井智也氏)。従来はWebページやUIの描画を1つのスレッドで処理していたが、新バージョンは要素ごとにスレッドを分離し、タッチ操作などのフロントエンド部分をJavaで処理することで、応答性を向上させたという。
UIも一新した。ホーム画面にユーザーがよくアクセスするページを一覧表示するほか、右手親指での操作を想定し、メニューやタブなどのよく使う機能を右上のボタンに集中させた。また、Google検索などでの文字入力のたびに検索候補を絞り込む「スマートスクリーン」機能も搭載した。
このほか、デスクトップ版Firefoxとブックマークや履歴などを同期できる「Sync」機能を搭載。Android版Firefoxの非起動時にも、デスクトップ版Firefoxとバックグラウンドでデータを同期できるようにした。
プライバシー機能も強化した。ユーザーの履歴トラッキングを遮断する「Do Not Track」に対応したほか、パスワードの暗号化機能を搭載。ユーザーがブラウザ上で使用するパスワードを暗号化して端末内に保存し、マスターパスワードで統合管理することで、端末の紛失・盗難時などにパスワードを不正利用される危険性を軽減するという。
Android版Firefox向けには今後、Webページ閲覧時に本文のみを自動抽出して表示する「Reading Mode」機能や、Webアプリ配信マーケット「Mozilla Marketplace」などを提供していく予定という。Mozilla Japanの瀧田佐登子 代表理事は「今回の発表を皮切りに、2012年の後半はさまざまな発表ができると思う。今後もMozillaから目を離さないでほしい」と話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR