ITmedia NEWS > STUDIO >

言葉で伝えられないことを目に込めて てぐれさん教えて! 絵師さん

» 2016年04月18日 11時00分 公開
[山崎春奈ITmedia]
photo 2016(クリックでpixivへ)

クリエイター:てぐれ

Webサイト:locus

pixiv:てぐれ

Twitter:@Ktgr_

 昔から学校に行くのが嫌いで、絵を描くことが1番の表現手段でした。10歳でPCを使わせてもらえるようになり、インターネットの広さにのめり込んで、PCで描いた絵をネット上に公開して楽しむようになりました。

 中学はほとんど行かず、どうやって這い上がるのかわからない状態の時、荒木飛呂彦先生の「ジョジョの奇妙な冒険」に出会ったことで意識が一変。イラスト科のある高校に進学しました。自分には絵しかない、と確信したのはその時だと思います。

 最初はpixivでジョジョの絵を見たり投稿したりしていましたが、その中でみっつばーさんという絵描きさんを知り、絵柄を超えた枠の影響を受け、創作イラストの世界に入っていきました。高校時代は常に焦っていて、「AKIRA」「フリクリ」を通してアニメーターを目指すようになり、自主制作アニメを作るなど、友人と競い合うようにイラストを描いていました。この頃の自分に頑張ってくれてありがとう! と伝えたいです(笑)。

 卒業後は3DCG・映像系の専門学校に進学しました。海外研修先の米国で映画スタジオを見学した際、日本人アートディレクターの方に「技術は発達していくけど、絵を描く仕事はなくならないよ」と背中を押してもらったことをきっかけに、改めて手描きの道を志し、専門を中退しました。

 半年後、無事目指していた制作会社にアニメーターとして就職。私にとっては夢のような環境でしたが、結局至らない部分が多く退職してしまいました。そこで過ごした時間は本当に楽しかったです。

 今はフリーのイラストレーターとして活動しています。物語の演出をしたい気持ちがずっとあるので、今後は漫画にも挑戦してみたいと考えています。描けるもの、できることをもっと増やしていきたいです。

 描く上で1番のこだわりは目です。言葉で伝えるのが得意ではないので、言いたい事は目に込めるつもりで描いています。自分と重ねやすいこともあって、孤独を抱えた人が好きなので、そういうキャラクターを思い浮かべて描くことが多いですね。

 特に人物を描く時は、自分が見惚れるまで手を止めないようにしています。表面的な流行の手段にとらわれず、自分の好きという感情を信じるのが大切だと思ってます。他の誰かがやっていることはやらなくていい――という気持ちです。

 宮崎駿さん、井上雄彦さん、伊藤潤二さん、松本零士さん、あきまんさん、田中達之さん、ゲーム「大神」シリーズなどは特に思い入れがあります。小学生のころ、伊藤潤二先生の「富江」を読んで、造形美だけではなく危うさを秘めた姿に魅せられたので、女性を描く上では伊藤先生からの影響が強いのかな、と最近気付き、改めてファンになりました。また、絵ではない分野ですが、洋画やミュージシャンが大好きなのでその影響が非常に強いです。

 「辛い日だったけど、絵を見たら元気が出た」とメッセージをいただいた時は、心底描いててよかった! と思えました。たくさん心労をかけてしまった両親が、自分の活動を見て喜んでくれた時もうれしいです。まだ駆け出しですが、作品を通じて色んな方に恩返ししたいと思ってます。

教えて! 自慢の1枚

2016

 新年最初にこれを描けて、とても清々しかったので気に入っています!

MIDNIGHT MOON

photo

 かっこいいと思う要素を、無駄なく入れ込む事ができたのでお気に入りです。

ICE

photo

 超可愛い女の子描けた! と思ったら本当にたくさんの方に見ていただくことができ、自分を褒めました(笑)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.