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Alphabet、売上高は予想を大幅に上回るもEU制裁金で純利益は28%減

» 2017年07月25日 08時13分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 Googleを傘下に持つ米Alphabetは7月24日(現地時間)、2017年第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。AlphabetはGoogleが組織再編で設立した持ち株会社で、2015年10〜12月期からGoogleとその他の傘下企業の業績を分けて開示している。

 Alphabet全体の売上高は前年同期比21%増の260億1000万ドル、純利益は28%減の35億2400万ドル(1株当たり5.01ドル)だった。純利益の減少には、欧州委員会への約27億ドルの制裁金支払いが大きく影響した。制裁金を含む一部項目を除いた非GAAPベースの1株当たり純利益は8.90ドルだった。売上高、1株当たりの純利益ともに、アナリスト予測(売上高は256億5000万ドル、1株当たり純利益は4.49ドル)を大きく上回った。

 alphabet 1 EUからの制裁金が響いた

 Googleの売上高は前年同期比21%増の257億6200万ドルで、Alphabet全体に占める割合は前期より3ポイント減の約96%だった。営業利益は12%増の78億300万ドル。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は52%増加。前期比では12%増だった。モバイル端末の普及とYouTubeのTrueView広告の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は26%減、前期比では8%減だった。

 広告以外(YouTube Red、Google Play、オリジナルハードウェアなど)からの売上高は42%増の30億9000万ドルだった。AlphabetおよびGoogleのCFO(最高財務責任者)であるルース・ポラット氏は業績発表後の電話会見で、「Google Home」や「Google Wifi」をはじめとするハードウェアの売り上げが成長していると語った。

 ムーンショット部門のX、Google Fiber、Calico、Nest、Verily、GV、Google Capitalをまとめた「その他」の売上高は34%増の2億4800万ドル、営業損失は前年同期より8300万ドル減り、7億7200万ドルだった。

 alphabet 2

 同日Alphabetの取締役就任が発表されたスンダー・ピチャイCEOは電話会見で、YouTubeをはじめとするGoogleのサービス全体での機械学習の採用について語った。新サービスなどについては具体的には言及しなかったが、アフリカでのサービス立ち上げ関連でナイジェリアに向かうと語った。

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