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写真で見る「はやぶさ2」の旅路(2/3 ページ)

» 2019年02月21日 20時00分 公開
[ITmedia]

「これがリュウグウ」

 地球を離れたはやぶさ2が、ようやくリュウグウの姿を捉えたのは、スイングバイから2年以上がたった18年2月26日。約130万キロ離れた地点から撮影に成功した。

 さらに約2600キロまで迫った6月6日時点の映像では「点」だったが、近づくにつれて形が明らかに。約330〜240キロの距離からは複数のクレーターが見え、約100キロ地点の画像からは「こま」のような形状だと分かった。約40キロまで近づくと、表面のデコボコも浮かび上がった。

photo 18年2月26日、ようやくリュウグウの姿を捉えた。はやぶさ2とリュウグウの距離はおよそ130万キロだった=JAXA提供
photo 18年6月6日、撮影したリュウグウ。視野は6.3度角 x 6.3度角。露出時間178秒。はやぶさ2からは、ふたご座(Gem)の方向にリュウグウが見える=JAXA提供
photo 約330〜240キロの距離から見たリュウグウ。18年6月17日午後3時と18日午後6時ごろの撮影。自転の順番にa、b、c、dとなるように並べてある=JAXA提供
photo 約220〜100キロの距離から見たリュウグウ。6月18日正午〜20日午後7時ごろ撮影=JAXA提供
photo 約40キロの距離から見たリュウグウ。18年6月24日撮影(c)JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

 18年6月27日、飛行時間1302日の旅の果て、はやぶさ2はリュウグウの上空20キロに到着した。ONC-Tによって撮影したリュウグウは、当初想定していた丸い形ではなく、無数の岩塊を抱えた“そろばん玉”のような姿だった

 リュウグウへ最終接近中、約40キロから撮影した3D連続写真も、JAXAが7月10日にWebサイト上で公開した。タイトルは「これがリュウグウ」だった

(c)JAXA 会津大, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 産総研
photo 距離約20キロから撮影したリュウグウ、18年6月30日撮影。(c)JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研
photo 距離約20キロから撮影したリュウグウ。18年6月30日撮影。小惑星の自転により、上記画像の「ほぼ裏側」が見えている(c)JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

 8月7日には、高度約1キロから撮影した画像も出た。さらにアップで捉えられたリュウグウの表面には、10メートル前後の岩が無数に転がっていた

photo 高度約6キロから撮影したリュウグウ。18年7月20日、望遠の光学航法カメラ(ONC-T)で撮影(c)JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研
photo 高度約1250メートルから望遠のONC-Tで撮影したリュウグウの表面。18年8月7日午前7時37分ごろ撮影(c)JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研
photo 上の画像とほぼ同時刻に、広角の光学航法カメラ「ONC-W」で撮影したもの。赤い枠がONC-Tの撮影範囲に対応(c)JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

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