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写真で見る「はやぶさ2」の旅路(3/3 ページ)

» 2019年02月21日 20時00分 公開
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半径3メートルを狙う

 9月22日ごろには、はやぶさ2が搭載していた小型ローバ「MINERVA-II1」(ミネルバ・ツー・ワン)がリュウグウ表面に着地。小惑星表面で移動探査をした「世界初の人工物になった」(JAXA)。同月27日、ローバがホップで移動しながら撮影した画像や、15枚の連続写真をつないだ14秒間の動画も公開した

photo はやぶさ2から分離直後の9月21日午後1時8分(日本時間)ごろ、2機のローバのうち「Rover-1A」がはやぶさ2(上)とリュウグウ表面(下)を撮影した。ローバが回転している状態で撮影しているので画像がぶれている(c)JAXA
photo 9月21日午後1時7分ごろ、Rover-1Bが撮影が撮影したカラー画像。右下にリュウグウ表面が映っている。左上の薄くモヤがかかっている部分は撮影時の太陽光の写り込みによるもの
photo 9月22日午前11時44分ごろ、Rover-1Aがリュウグウ表面で移動中(ホップ中)に撮影したカラー画像。左側半分がリュウグウの表面。右側の白い部分は太陽光によるもの
photo Rover-1Bのホップ直前の画像。9月23日午前9時46分(c)JAXA
photo Rover-1Bの再着地頃の表面画像。9月23日午前10時10分(c)JAXA
photo Rover-1Aが撮影した表面画像。9月23日午前9時43分(c)JAXA

 プロジェクトは順調に見えたが、JAXAは10月11日、はやぶさ2のタッチダウン延期を発表した。当初は10月下旬を予定していたが、ローバが撮影した画像からリュウグウの地表を分析したところ、「砂地に岩が散在している」というイメージではなく「地面そのものが、大小さまざまな岩の集合」だと判明。無事に着陸させるため“長考”が始まった。

 着陸のめどが立ったのは、翌19年2月。投下したターゲットマーカの着地点付近を調べ、最終的に半径3メートルほどの狭い地点を選んだ。付近の岩塊の高さが50センチ以下、表面の傾きが平均30度以内――といった条件を満たしていたためだ。「非常に精密な航法誘導が必要になるが、検討の結果それは可能」(JAXA)としている。

photo タッチダウンを行う場所。タッチダウンは紫の円(半径約3メートル)の中を狙う。×印は、ターゲットマーカが着地している位置を示す。左下の探査機のイラストは写真と同じスケールで描いたもの(c)JAXA

 はやぶさ2は2月21日午後1時すぎ、リュウグウへの降下を始めた。予定より5時間遅れたが、高度5キロまでの降下速度を早めることで、予定通り22日午前8時すぎにタッチダウンを行う見通しだ。

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