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東芝の“量子インスパイア”な高速金融取引マシン、展示会で人だかり 最良取引をマイクロ秒で検知(3/3 ページ)

» 2019年10月30日 07時00分 公開
[井上輝一ITmedia]
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 これに対し辰村主任は「このマシンを使ったからといって、すぐに稼げるわけではない」と説明。

 「あくまでバックテストのため、売買による市場価格の変化は織り込まれていない。また、SBが計算した取引機会をどう取引に反映させるかという、トレーダーが考える取引アルゴリズムも搭載していない」(同)

 このため、東芝としては「社内で閉じるよりも外に開き、共創することを選択した」という。

 外部企業と協業するのは、問題の定式化が難しいという理由もある。SBが解くのは、組み合わせ最適化問題を表す「イジングモデル」と呼ばれる式だが、世の中のさまざまな組み合わせ問題をイジングモデルに変換する汎用的な手法は確立されていない。

 外部企業と連携することで各企業が解きたい問題について知見をため、「SBで解ける問題のショーケースを1ダースほど作っていきたい」(辰村主任)と話した。

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