PlayStation VR対応は、実は興味深い。最近は一般家庭においてブームが落ち着いた感のあるVRだが、SIEとしてPS5世代においてもVR対応ゲーミングをサポートし続けるという意思表明をしていることにも相当するからだ。
気になるのは、PSVRの特殊なパイプラインをPS5で改善するのかどうかだ。
PSVRには、PS4と組み合わせて利用したとき、PSVR装着ユーザーが見る情景とは異なる、別視点の映像をテレビ画面側に出力できる「セパレートスクリーンモード」と呼ばれる機能がある。この機能の実現に当たって、PS4は内部でテレビ用の映像をレンダリングした後、わざわざこれをMPEGエンコードしてUSB2.0経由でPSVRのプロセッサーユニットへ伝送し、プロセッサーユニットはプロセッサーユニットでMPEGデコードしてテレビへHDMI伝送するという、とんでもなく面倒なことをやっているのだ。
PSVRのプロセッサーユニットには、MPEGデコーダーが搭載されているのだ。ちなみに、PS4側のMPEGエンコード処理と、PSVRのプロセッサーボックス側のMPEGデコード処理で、セパレートスクリーンとして表示される映像は当然表示遅延が伴うことになり、ゲームプレイにも多少なりの影響が出ることになる。
また、このセパレートスクリーン機能を使っているときは、PS4側のMPEGエンコーダーが占有されてしまうため、SHARE機能で録画/キャプチャできる内容はセパレートスクリーンと同一内容に制限されてしまう。
PSVRで1対3の非対称な対戦を行っているところ。PSVRの装着者はPSVRの画面,残る3名(※仕様上は4名まで参加可能)はディスプレイデバイスの画面を見て,ゲームをプレイしている。これが「セパレートスクリーンモード」を活用したゲームプレイになるこの問題……というか冗長性を解決するための打開策はシンプルである。HDMI端子をもう1個付ければいいだけなのだ。もしかすると、PS5ではHDMI端子が複数実装され、PSVRとの接続がもう少し合理的なスタイルに改良されるのではないか、と筆者は期待している。
SIEは20年の年末にPS5の発売を予告しているにもかかわらず、世界最大級のゲーム業界系コンベンションのE3(Electronic Entertainment Expo)には参加しない方針を明らかにした。となれば、発表会的なものをいつやるのかが気になってくる。
過去を振り返ると、PS4の発表イベントは13年2月下旬に米ニューヨークで行われた。PS4 Proの発表イベントは16年9月上旬に、同じくニューヨークで行われた。
過去に倣うならば、2月か9月という線が強そうであるが、果たして……。
ニューヨークにあるPlayStationシアター。PS4 Proの発表会は2016年9月にここで行われた。なお、ここは建物の契約上の都合で2019年12月31日をもって閉館された。写真は2016年当時のもの
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