マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!
「大手と同じことをやっても勝てない」 サイバーエージェント傘下のプロレス団体社長に学ぶ、ベンチャーの戦い方(1/4 ページ)
「DDTプロレスリング」(以下、DDT)というプロレス団体をご存じだろうか。2017年9月にサイバーエージェントに買収されて話題になった団体だ。DDTは立ち上げ当初、資金も人材も人気もない厳しい環境だったが、高木規社長(リングネームは高木三四郎)が他団体にはない“エンタメ路線”を打ち出すなどし、組織を大きく成長させていった。
プロレス業界は、国内が新日本プロレス、世界がWWEの一強体制といわれているが、挑戦をし続けたDDTは、サイバーエージェントのグループ入りを果たすまでになった。高木社長はDDTをベンチャー企業に例え、「ベンチャーは、大手と同じことをやっていても勝てない」と話す。実際、IT業界で働くビジネスパーソンにとっても、DDTの経営に学ぶことは多いはずだ。
DDTは、どのように他団体と差別化してきたのか。会社経営や人材採用、選手や社員とのコミュニケーションから資金調達に至るまで、高木社長に「ベンチャーの戦い方」を聞いた。
連載:マスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!
自称“AI(人工知能)ベンチャーで働きながら、情報発信するマスクマン”こと、マスクド・アナライズさんが、AIをめぐる現状について、たっぷりの愛情とちょっぴり刺激的な毒を織り交ぜてお伝えします。今後は、AI情報だけでなくIT業界全般に役立つ情報もお届けしていきます。
お問い合わせのメールは info@maskedanl.com まで。Twitter:@maskedanl
(編集:村上万純)
サイバーエージェント傘下になった経緯
マスクド:DDTは、17年9月にサイバーエージェント傘下となりましたが、どのような経緯があったのでしょう?
高木:私の個人資本で会社はある程度大きくなりましたが、さいたまスーパーアリーナや横浜アリーナなど、1万人以上集客できる会場への進出には壁がありました。その壁を越えれば東京ドームも見えてきますが、当時は限界を感じていました。
そのころ、たまたまサイバーエージェントの藤田(晋)社長とお会いする機会があり、スマートフォンで「路上プロレス」(※1)の動画をお見せしたんです。「すごく面白い」と気に入っていただいたので、間髪入れずに「サイバーエージェントさんとのシナジーで、団体を大きくしたいです」と気持ちを伝えました。現状を打破するために、上場企業のグループ入りを果たす必要があると考えたからです。そこからは早かったですね。1カ月ぐらいで買収が決まりました。
※1:プロレス会場のリングではなく、キャンプ場、商店街、プールなどでプロレスをするDDT特有の試合形式。サイバーエージェント傘下になった後は、同社のオフィスでも路上プロレスを行った。
マスクド:企業買収としては異例のスピード感ですね。
高木:もちろんデューデリジェンス(※2)はきちんと行っていますし、(サイバーエージェントは)意思決定が早い組織なのでしょう。今回のプロレスリング・ノアの買収(※3)も1カ月半程度で決まってます。
※2:投資対象となる企業の価値やリスクなどを調査すること
※3:サイバーエージェントは1月29日に、プロレス団体「プロレスリング・ノア」を運営するノア・グローバルエンタテインメントを子会社化すると発表。社長は高木氏が務める。本取材は1月30日に実施した
経営がジリ貧になり、「エンタメ路線」に振り切った
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