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» 2020年03月23日 20時08分 公開

手は洗った、スマホはどうする?

新型コロナウイルスの感染予防対策として、手洗いやうがいの有効性が広く知られるようになりました。ただ、スマートフォンを持つとき、「もし、このスマートフォンにウイルスが付着していたら」と思った人も多いのではないでしょうか。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 新型コロナウイルスの感染予防対策として、手洗いやうがい、咳エチケットなどが有効と広く知られるようになりました。ただ、きれいになった手でスマートフォンを持つとき、「もし、このスマートフォンにウイルスが付着していたら」と感じる人も多いのではないでしょうか。

画像はイメージ

 英国の医療機関Healthcare Infection Societyは、新型コロナウイルスを含むヒトコロナウイルスは、ガラスやプラスチック、金属などの表面で最長9日間も生存できると指摘しました。東北医科薬科大学医学部が公開した家庭向けの「感染予防ハンドブック」でも、手洗いと環境消毒(ドアノブなど身近な金属、プラスチック製品の消毒)など複数の対策を組み合わせることが大切としています。

 しかし、スマートフォンは精密機器です。外装には金属にガラス、プラスチックとさまざまな素材が使われていて、エタノールなどの有機溶剤を使ったアルコール除菌は変色や塗装の剥がれ、変形などの原因になるとして、長い間NGとされてきました。

 ところが近年、新型インフルエンザやノロウイルスの流行を背景にメーカー側の対応が変わりました。例えばシャープのAQUOSスマートフォンなどには、数年前からアルコール除菌シートが使えると明記された製品があります。注意書きには必ず「変色や塗装剥がれ、変形しないことを保証するものではありません」と添えられていますが、耐薬性能が製品の訴求ポイントになっていることが伺えます。

 そして3月上旬、今回の新型コロナウイルス感染拡大を受け、ついに米AppleもiPhoneのサポートページにアルコールを用いた消毒についての記述を加えました。「70%イソプロピルアルコール含有ワイプやクロロックス除菌ワイプ (Clorox Disinfecting Wipes) を使い、iPhoneの外表面を優しく拭き取る分には構いません。漂白剤(ブリーチ)は使わないでください。開口部に湿気や水分が入り込まないようにご注意ください。また、洗剤類の中にiPhoneを浸さないでください」としています。

Appleのサポート情報

 「除菌ワイプ」は、日本でいう除菌シートや除菌ウェットティッシュのこと。「クロロックス」(Clorox)は米国の大手生活用品メーカーで、「Clorox Disinfecting Wipes」は商品名。米国で入手しやすいメジャーなアルコール除菌シートを例に挙げ、iPhoneのアルコール消毒に使えると「解禁」したのです。クロロックスの製品情報を調べると、Clorox Disinfecting Wipesは70%のイソプロピルアルコールが使われていました。

「Clorox Disinfecting Wipes」

 日本で除菌用アルコールといえばエタノールを思い浮かべる人が多いと思いますが、イソプロピルアルコール(イソプロパノール、IPAなどとも呼ばれる)も工業用途を中心に広く使われています。

 イソプロピルアルコールの消毒効果はエタノールと同等ですが、ノロウイルスなどの不活性化作用はエタノールの方が高く、イソプロパノールにはきついニオイもあります。また高い脱脂作用があるため、手荒れになりやすく手指の消毒などには向きません。アルコール除菌をうたうハンドジェルや除菌シートなど、ドラッグストアに並んでいる製品が主にエタノールを使用しているのはこのためです。

 イソプロピルアルコールを使った除菌シートは、家電量販店などでもOA機器用クリーナーとして売られています。Apple指定のアルコール消毒シートを使いたい場合、ドラッグストアより家電量販店に行ったほうがいいかもしれません。

 でも、お店に駆け込むのは少し待ってください。英国公共放送のBBCは3月中旬、UCL(University College London)の微生物学者、レーナ・シリック博士によるスマートフォン消毒術を紹介しました。家庭用のせっけんと水、柔らかい布(マイクロファイバー布)があれば、効果的に細菌やウイルスの活動を抑制できるとしています。

 スマホの電源を落とし、マイクロファイバーの布に水と家庭用せっけんを染みこませたら準備完了。水が機器に入らないように注意しながら、表面をやさしくふきます。後は乾いたマイクロファイバー布で水分を取り除くだけ。微生物の動きを測定する簡易的な検査では、スマホ表面の微生物の数が大幅に減っていました。動画は、日本向けの「BBC NEWS JAPAN」やYouTubeのBBC公式チャンネルで公開しています。

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