平井卓也デジタル改革担当相は11月27日の会見で、各省庁の職員が国会議員へ政策などを説明する「議員レク」にWeb会議ツール「Zoom」を導入したと明らかにした。これまでも職員と国会議員は米Ciscoの「Cisco Webex」などを使ったオンラインでのミーティングを一部で行っていたが、各省庁へ正式に文書で通知することで議員レクのオンライン化を本格化させる。
内閣官房IT総合戦略室が25日に全省庁に出した通知では、情報の機密性に留意した上で、国会議員からの要望があれば、各省庁のセキュリティポリシーに基づきZoomなどのWeb会議ツールを使い、議員レクを行えるとしている。
国会では、議員が質問する内容を事前に各省庁などに通告した上で、省庁の職員とミーティングを重ねながら質問事項をまとめる慣習がある。議員と職員とのミーティングは、これまで対面を基本としていたことから職員が議員会館などに足を運ぶ必要があった。
しかし、コロナ禍での感染防止や職員の移動の負担などを考慮し、Zoomの利用条件について検討が進められていた。
内閣官房IT総合戦略室は「これまでも一部の議員とオンラインでのレクは行っていたし、Zoom自体の使用を禁止していたわけではない」としつつ、「通知を出したことでオンラインでのレクの頻度は高まるだろう」としている。
ただ「省庁によっては省内ルールでZoomをダウンロードできない可能性もある」と指摘。Zoomを使う場合は、Web会議で使うURLの発行は議員自身が行うが、省庁間や外部との連絡手段として正式に導入されているWebexの利用も可能としている。
平井氏は会見で「各省庁がセキュリティポリシーに基づいて、国会議員へのレクが効率的に行えるようになると期待している」と述べた。
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