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550円の「Raspberry Pi Pico」をいじり倒す名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第36回)(2/2 ページ)

» 2021年02月16日 07時00分 公開
[岩泉茂ITmedia]
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Raspberry Pi Picoを使うための準備

 Raspberry Pi PicoはWindows、Mac、ラズパイなど、さまざまなデバイスにつなげて使えます。そこでWindowsとラズパイにつなげて使ってみましたが、システム的な親和性がいいのか、ラズパイに接続して使うのが便利でした。そこでここからはRaspberry Pi PicoをRaspberry Pi 4に接続することを前提として話を進めていきます。

 Raspberry Pi PicoとラズパイはUSB Type-A to micro USB Type-Bのケーブルで接続します。ただしプログラミングをするために接続するなら「ブートセルボタン」と呼ばれる、USB端子のそばにある白いスイッチを押しながら接続する必要があります。こうするとRaspberry Pi Picoが外部ストレージとして認識されて使えます。

Raspberry Pi Pico このボタンを押してケーブルを接続する
Raspberry Pi Pico 接続するとこのような表示が出る
Raspberry Pi Pico USBストレージと認識されてフォルダが開かれる

 この開いたフォルダにある「index.htm」をダブルクリックしてRaspberry Pi PicoのWebサイトを表示させます。ページの中ほどにある「Getting started with MicroPython」というタブをクリックし、少しスクロールしたところにある「Download UF2 File」という緑のアイコンをクリックします。これはMicroPythonのファームウェアなので、Raspberry Pi Picoにインストールしましょう。「Downloads」フォルダにありますので、ファイルマネージャー上でRaspberry Pi Picoのフォルダへドラッグ&ドロップします。

Raspberry Pi Pico Raspberry Pi PicoのWebサイトを表示させる
Raspberry Pi Pico 「Download UF2 File」という緑のアイコンをクリックしてダウンロードする
Raspberry Pi Pico ダウンロードしたファイルをRaspberry Pi Picoのフォルダへドラッグ&ドロップする

 するとRaspberry Pi Picoのフォルダが閉じられて、USBデバイスが外されたという表示になりますが、これは正常な動作です。

 続いてラズパイのメニューにある「プログラミング」−「Thonny Python IDE」を起動します。Thonny Python IDEでは、Pythonのコマンドを入力したり、プログラムを作成してRaspberry Pi Picoを扱うことができます。

 ではThonny Python IDEの右下にあるバージョン表記をクリックしましょう。すると「MicroPython(Raspberry Pi Pico)」と表示される箇所がありますので、そこにカーソルを合わせてクリックします。これでプログラムをする準備が終わりました。

Raspberry Pi Pico Thonny Python IDEの右下をクリックして「MicroPython(Raspberry Pi Pico)」を選ぶ

 続いてThonny Python IDEの下にある「Shell」へコマンドを入力してみましょう。ここでは「print(“Hello World!”)」と入れてEnterキーを押します。すると「Hello World!」と表示されましたでしょうか。

Raspberry Pi Pico 「Hello World!」と表示させる

 このようにThonny Python IDEでは、Pythonのコマンドを入力して表示させる方法に加えて、上のカラムでプログラムを組んで動作させられます。

ではまず基本のLチカから

 Raspberry Pi Picoには緑のLEDが取り付けられており、GPIO 25番に接続されています。次にこのLEDを点滅させてみましょう。

Raspberry Pi Pico Raspberry Pi Pico本体にあるLED

 先ほどと同じように下のShellカラムへ、順番に以下のコマンドを入力します。

from machine import Pin
led = Pin(25, Pin.OUT)
led.value(1)

 まずLEDが点灯したと思います。次にこのコマンドを入力します。

led.value(0)

 LEDが消えましたでしょうか。ここまでのコマンドをプログラムに書いて、LEDがチカチカするようにしましょう。「while True」でループさせます。

from machine import Pin
import time
while True:
	led = Pin(25, Pin.OUT)
	led.value(1)
	time.sleep(1)
	led.value(0)
	time.sleep(1)

 プログラムを記述したらRaspberry Pi Picoに保存します。ツールバーの「Save」アイコンをクリックすると、ラズパイ上か、Raspberry Pi Pico上かを聞いてきますので、Raspberry Pi Picoを選びましょう。ファイル名ですが、Raspberry Pi Pico単体で動作させるためには「main.py」とする必要がありますので、この名前で保存します。

Raspberry Pi Pico 上画面にプログラムを記述
Raspberry Pi Pico この表示が出たら「Raspberry Pi Pico」を選ぶ
Raspberry Pi Pico 「main.py」として保存

 いったんRaspberry Pi PicoをUSBケーブルから外します。そして今度はブートセルボタンを押さずに差してみてください。LEDが点滅したでしょうか。これでLチカの完成となります。


 Raspberry Pi Picoは人気なのか、正規代理店経由の場合はKSY以外ではすでに完売となっているようです。海外の動きを見ると2月末にまた入荷するようなので、少し待てば手に入れられるかもしれません。

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