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歩きポケモンしてるとGoogleさんに叱られるGoogleさん(2/3 ページ)

» 2021年04月18日 08時21分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 Googleさんの便利機能で今楽しみにしているのは、3月に発表されたスマートディスプレイ「Nest Hub(2nd gen)」。ベッドサイドに置いておくと、「Pixel 4」に搭載されていたモーションセンサー「Soli」で睡眠の質を判定してくれたり、センサーの前で手を振ることで目覚ましをスヌーズしたりできます。

 nest 手を振って目覚ましをスヌーズ。停止はボタンをタッチしないとできないようです

 今はPixel 5を目覚まし時計代わりに使っていますが、スマートフォンが枕元にあると「おやすみ時間モード」にしてあっても、ついメールや新着ニュースをチェックしてしまうので、Nest Hubが日本でも発売されたらこれに置き換え、Pixel 5はリビングに置いてきぼりにしようと思います。

 いずれの機能も便利ですが、Googleさんが自分のことを何もかもお見通しなようで、ちょっと怖い気もします。

 Googleはこうした便利機能を発表するたびに「この機能のために集める個人情報を広告に使うことはないし、プライバシーは大切にしています」と説明します。

 いまだに収益源のほとんどが検索広告なのに、集めたデータを広告に生かさない手はないのでは? じゃあ、なんのためにこんな便利なサービスを無料で提供しているの? とも思います。

 勝手な想像ですが(この「Googleさん」は記事ではなく、コラムなので、勝手な想像が入ります)、GDPRなどで個人情報保護の機運が高まる中、いつまでも広告だけで生きていくのは難しいという判断で、個人情報に頼らない次の収益源を模索するためじゃないかと思います。

 広告から別の収益源へのシフトは簡単ではないでしょう。Googleは、なんとか後ろ指さされずに効果的なターゲティング広告を提供し続けようとしています。昨年には悪評高いサードパーティーCookieを排除すると宣言しました。プライバシーを守りつつ効果的な広告を表示し続けるために、「プライバシーサンドボックス」を開発し、「FLoC(Federated Learning of Cohorts、群れの連合学習)」のテストを始めました。

 FLoCは、ざっくり説明すると、機械学習アルゴリズムでWebブラウザの閲覧履歴を集め、似たような閲覧履歴を持つユーザーを群れ(コホート)にまとめて広告主に提供することで、ユーザー個人のプライバシーを保護しつつターゲティング広告を可能にするというもの。例えば私が「バナナジュース」を検索した後で「ミキサー」を検索しても、私がミキサーを買ってスムージーを作りたいんだなとサードパーティーに直接ばれるのではなく、ジュースやミキサーに関心のある人の群れの1人になり、サードパーティーは個人ではなくこのコホートに向けて広告を表示するので、個人のプライバシーは保護される、という感じです。Webブラウザ経由で履歴は集めるけど、直接は使わないよ、と。

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