ITmedia NEWS > AI+ >
ITmedia AI+ AI活用のいまが分かる

いびきも計測してくれる新Nest Hubを試してみたGoogleさん

» 2021年05月02日 07時24分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 3月に米国で発表されてから日本発売を楽しみにしていた「Nest Hub(第2世代)」。日本では5月5日発売ですが、Googleさんからお借りできたので、連載「Googleさん」の今回は、1週間使った感想です。

 bedside ベッドサイドに置いてみた

2代目の最大の特徴は「睡眠モニター」

 先代も持ってるのに、なんでとても楽しみにしていたかというと、Soli採用の「睡眠モニター」(プレビュー版)が使えるからです。

 Soliは、GoogleがPixelを「Androidの最先端技術を披露するデバイス」と位置づけていた時代の最後の子、「Pixel 4」でデビューした、モーションセンス技術です。顔認証の補助や手を振ることで曲飛ばしなどの操作を担っていました。すごいけど、正直私はあんまり使っていませんでした。

 Nest Hubの睡眠モニターは、このSoliとマイク、光センサー、温度センサーを使って、そばに寝てる人の睡眠データを記録・解析します。こういうことでこそ、Soliの本領が発揮されそう。

 Mi Smart Bandの本体がバンドからいつの間にか外れてなくなっちゃって以来中断していた睡眠トラッキングを、腕に何も巻かずに再開できるなんて嬉しい。

見た目は先代とほとんど同じ

 寝室に持っていく前に、まずはリビングにいる先代とご対面。並べてみるとほとんど同じですが、2.4mm背が高くなり、奥行きが2.2mm増えて、横幅は1.1mm狭くなったそうです。体重は78g増えた。見た目で分かるのは、先代にはディスプレイとその枠の境目に溝があったのがなくなりました。お手入れがしやすくなりそうです。

 nest 1 新旧Nest Hub。ほとんど見分けがつかない(右が二代目)

 センサー類は上部中央のあたりにあるようです。マイクは3つになったのですが、3つ目は外からは見えません(縁の上部中央に見えるのはアンビエントセンサー、その両側がマイク)。ちなみにカメラは先代同様ありません。だから、ディスプレイが付いてるのにビデオチャットはできません。でも、だからこそ安心して寝室にも置けます。

 睡眠モニターが記録するのは、以下の項目です。データは翌朝にNest Hubの画面で確認できる他、Androidアプリ「Google Fit」にも表示されます。

 ある日のモニター結果(Google Fitの画面)
  • 就寝した時刻
  • 入眠した時刻
  • いびきをかいた時間と回数
  • 呼吸数(rpm)
  • 咳をした時間と回数
  • 目が覚めちゃった時間と回数
  • 部屋の明るさの変化
  • 室温の変化
  • 覚醒した時刻
  • 起床した時刻

寝室に設置(条件がいろいろある)

 では、さっそく寝室に設置です。設定はPixel 5の「Google Home」アプリでやるんですが、音声と画面で誘導してくれるので、私でも簡単にできます。

 nest 2 Google HomeアプリでのNest Hub設定(抜粋)

 睡眠モニターの設定からは、Nest Hubのディスプレイ上でやります。Soliちゃんにしっかり働いてもらうためには、置く場所を結構選びます。条件は以下のとおり。

  • マットレスの上面と同じくらいの高さ
  • 頭や胸の近くのベッドサイド
  • マットレスから約30〜60cmの位置(腕を伸ばして届く範囲)
  • ディスプレイは自分の胴部に向ける(寝相の悪い人はどうすれば……)
  • ディスプレイを遮るものを置かない(Nest Hubの土台部分と同じ高さならOK)
  • 一度設置したら動かしちゃだめ(毎日同じ条件でモニタリングするため。掃除するとき動かしちゃいそう)
 nest 3 画面の指示に従って設定の続き

 なかなか細かいです。私のサイドテーブルはマットレスよりちょっと高いんですが、とりあえずなるべく条件通りに置きました。

 最後にキャリブレーションのために「シーツの上で、普段寝ている場所に静かに横になり」、「準備ができたら[開始]をタップし、音声指示に従」います。その間、ベッドにいるのは自分だけじゃないとだめ(ねことか夫とかは追い出す)。約20秒じっと横になっていると、「睡眠センサーの設定が完了しました」と表示されます。

いよいよ初日

 キャリブレーションのとき「普段寝ている場所」と言われましたが、私はけっこう寝返りを打ったり朝起きると枕に頭が載っていなかったりするので、Soliがちゃんとデータがとれるか心配で、初日はちょっと緊張しました。

 寝返りを打つたびに「これも記録されるかなぁ」と思ったり、枕から頭をはずしたあと、「おっと、この体勢だとデータがちゃんととれないかも」と「正しい姿勢」で寝ようとしたり。翌朝起きたら、久しぶりに寝違えてました。

 朝はめざましを設定した5時より17分前の4時43分に目がさめました。Soliに気付かれないようにじっとしたまま、ディスプレイが「めざましディスプレイ」で15分かけてだんだん明るくなるのを眺め、5時にディスプレイのめざまし[停止]ボタンをタップ。後で確認したところ、覚醒時刻と起床時刻は同時で4時56分になっていました。目を開けていることが、途中でばれたようです。

 めざましディスプレイで明るくなった画面

 結果を見ようとわくわくディスプレイをタップしたら、しばらくは「処理中」に。Nest Hubの中で録音した音を、音ではなくデータに変換したり、集めたデータを解析するためにサーバに送ったりする作業をしているようです。

 処理中

 Nest Hubはマイクで録音はしますが、それがそのままGoogleのサーバに送られるわけではなく、デジタルデータに変換してから送られます。もちろん自分でも再生できません。変な寝言を言っても、ものすごいいびきをかいても、それが記録されるわけではないです。ちなみにNest Hubくんにも寝言を聞かれたくない場合は、マイクをオフにしても(いびきと咳のデータはなくなりますが)睡眠モニターは使えます。

 処理が終わると、Nest Hubの画面で前夜の睡眠について確認できます。まあ朝は忙しいので、画面でよりも、後で連携しているスマートフォンのGoogle Fitアプリで見ることになると思いますが。

この画面以外にもより詳しい分析の画面が数枚あります

 ショックなことに数分ですが、いびきをかいていたことになっていました。「私じゃないもん」と思いたいところですが、そのためのキャリブレーション。夫のいびきではないんでしょう。そのうち寝る位置を交換して実験してみたいと思います。

【追記】ある午前4時のこと、覚醒中に夫のいびきがきこえていたので後でGoogle Fitで確認したところ、それが私のいびきとして記録されていました。すべての記録が夫のいびきかどうかは不明ですが、間違えることもあるようです。

1週間たちました

 3日目くらいからは慣れて、Nest Hubに気を使わずに眠れるようになりました。そして1週間。睡眠モニターは、1週間ごとと1カ月ごとに分析結果を報告してくれます。

 1週間の総括

 画像で木曜日が抜けているのは、外泊したからです。就寝時間と起床時間だけなら後から手入力することもできます。

 あと、2週間使うと「理想的な睡眠ルーティンを提案」してくれるそうです。楽しみ。

 2週間のデータに基づく「おすすめのスケジュール」提案

1週間使っての感想

 Mi Bandのような他のトラッカーと併用すれば精度が比較できてもっと面白かったかも。でも、Googleによると、「市販の臨床レベルのスリープトラッカーにも引けを取らないあるいはより優れていることが分かった」そうなので、信用しようと思います。

 私は大変規則正しい生活をしていることが分かりました。なので、睡眠モニターを使って生活改善ができるかというと、これ以上はなさそうです。呼吸数の平均も見事に一定だし。ただ、いびきは気になります。ほぼ毎晩2、3回咳をしているのも知らなかった。

 一番気になるのは「睡眠モニターは年内は無料です」となっている点。その後どうなるのかはまだ不明です。例えば「おすすめのスケジュール」だけ有料になって、後はそのまま使えるとかなら嬉しい。

 でも、睡眠モニターは今後、買収したFitbitの製品とも連携していくそうなので、「Pixel Watch」(仮)を買う気満々な私は、サブスクリプションが始まったら加入してしまいそうです。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.