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Teslaはこうやって買う(前編) 試乗からグレード選択、充電設備、納車前の諸手続きまで走るガジェット「Tesla」に乗ってます(5/6 ページ)

» 2022年02月25日 12時50分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

“素”のModel 3でも十分だった

 次に迷ったのは、グレード選択です。Model 3には、(1)“素”のModel 3(「RWD」というそうだ)、(2)ロングレンジ、(3)パフォーマンスと3つのグレードが存在します。パフォーマンスの高性能は不要だったので当初から選択肢には入りませんでした。そもそも、700万円オーバーは高くて買えません。

photo RWDは、シングルモーターの後輪駆動のモデル。白以外はオプションカラーで追加料金が必要

 Model 3 RWD(当時は、スタンダードレンジプラス)とロングレンジで迷いました。テスラのスタッフに、実家の岡山までクルマで往復をすることがある、それに加え、年に数回、各地へ泊まりがけの小旅行をするという点を伝えると、迷わずロングレンジを推薦され、言われるがままにロングレンジを購入しました。

 しかし、これまで岡山、飛騨高山、信州への数度かの旅を経験した結果、スタンダードレンジプラス(現RWD)でもまったく問題はなかったように感じています。例えば、横浜から岡山までの旅なら、テスラの「ルート検索」によると、浜松と大阪のSCで2回充電すれば到達可能とあります。

photo Model 3 RWDでも横浜から岡山まで、御殿場で40分、大阪豊中市で20分の充電を行えば到達できる。ただし、100%信用できるのか……

 ただし、WLTCモードという好条件下での燃費基準による計測値をベースにしているようなので、どのような条件下であっても2回の充電で到達できるのかどうかは分かりません。とはいえ、そもそも岡山までの700km近い距離を2回の休憩で移動するなど考えられません。筆者の場合、通常2時間ごとに休憩します。

 高速道路での移動中、サービスエリア(SA)で幾度かの休憩をはさむことになるでしょう。その際、SAに設置されたCHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電器を利用することも可能です。必ずしもSCにこだわる必要はないわけです。そうなると、Model 3 RWDでも問題なく運用可能だと思います。

 SAで休憩や食事をするたびに公共の充電器で少しずつ継ぎ足し充電してもOKです。その際、バッテリーを100%にする必要はなく、旅程とバッテリーの減り具合を考えながら途中で充電を打ち切って出発します。つまり、人間の休憩や食事の都合に合わせて充電すれば、充電時間が足かせになることはありません。

photo CHAdeMO規格の急速充電器を利用する場合は、専用の変換アダプターを接続しなければならない

 まあ、今後、EVが普及して充電渋滞が発生するようになれば、いつも都合良く人間の都合に合わせられる保証はありませんが……。とはいえ、トヨタもEVに本気を出して、社長が自身の言葉で、充電インフラの拡充を約束しています。今後、環境は良くなっていくでしょう。

 ちなみに、Model 3 RWDは後輪駆動、ロングレンジは四輪駆動という違いがあるので、雪国のユーザーは、走破性という観点でロングレンジを選ぶという考え方もあるでしょう。

 この原稿を執筆している最中にModel Yの日本上陸を匂わせるニュースが飛び込んできました。国土交通省の官報にModel Yの型式認定が記載されたというのです。Model Yは、Model 3のSUV版ともいえる車種です。Model 3よりも車幅が大きく、背が高くなるなど、大型化しますが、SUVが好きな人にとっては魅力的なクルマです。

photo Model 3より、幅広で背が高くなるModel Y。日本の狭い道では取り回しに気を遣うかもしれない。米国では納期が年末になっている

 現時点でテスラ・ジャパンから正式な発表はありませんが、気になる人は、後から後悔しないためにも、待ってみるのもいいでしょう。ちなみに、筆者は、住環境の関係から大型化したModel Yは諦めざるを得ません。

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