Teslaは「試乗したら終わり」といいます。はい、私、山崎も試乗したら終わりました。「終わり」というのは、必ず注文してしまう、という意味です。逆にいうと、乗って体感してみないと、その魅力を理解できないということでもあります。
本連載初回の『iPhoneにタイヤをつけたような「Tesla Model 3」を買ってしまった “人生最後のクルマ”になぜ選んだか」』でも触れましたが、筆者はModel 3に試乗する前は、アウディ、BMW、プジョーもいいな、と次期クルマ選びを楽しんでいましたが、実は大本命は、トヨタのプリウスでした。
PHEVではなく、アンプラグド版プリウスです。最上位グレードでもオプションや諸経費を入れても400万円でおつりがきます。おまけに、燃費は約20km/Lと、維持費の点でもいうことありません。60代も半ばを迎え、今後収入も減るでしょう。それならば、信頼性が高く、全国津々浦々にディーラー網が整備された堅実で安心できるクルマがいいな、と考えていました。
実際、プリウスが素晴らしいクルマであることは実感しています。実家の年老いた母親をサポートするために、年に数回新幹線で帰郷しますが、毎回、駅前のトヨタレンタカーで現行プリウスをレンタルします。レンタル車両は、1000kmも走っていない新車の場合もあれば、走行距離約8万kmの個体もありました。すばらしいクルマであることは身をもって経験済みです。
しかし、乗るたびに感じることがあります。運転していて感性に訴えるものがないのです。筆者はこれまで、数台のトヨタや日産を経て、4台のシトロエンやメルセデス・ベンツを乗り継いできました。どれも信頼性や維持費等でネガ要件が多々ある一方、エモーショナルな魅力も兼ね備えていました。
そういった観点でいうと、プリウスというクルマは、マルクス経済学でいうところの「使用価値」は100点満点なのですが、マーケティング論の「意味的価値」はあまりにも希薄すぎます。なんというか、セクシーじゃないわけです。
そんなモヤモヤを抱えたさなかに、ちょっとしたきっかけで、Model 3を試乗してしまったわけですから一瞬にして「終わり」ました。楽しいのです。セクシーなのです。未来なのです。堅実なクルマ生活を目差すはずが、シトロエン時代に経験した「沼」に再び足を踏み込んでしまった感じです。
Teslaが気になっているのであれば、まずは試乗することを強くお勧めします。試乗は、東京都の青山、新宿、板橋、川崎市のラゾーナ川崎プラザ、大阪・心斎橋、名古屋、福岡の各テスラストアで可能です。また、それ以外の地域でも不定期で特別展示及び試乗会を開催しています。試乗予約など詳細は、テスラジャパンの「キャンペーン」を確認してください。
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