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新車買ったらペイントプロテクションフィルムを ボディーコーティング、スマホの保護フィルムとはここが違う西川善司の「日産GT-Rとのシン・生活」(2/7 ページ)

» 2022年02月28日 08時00分 公開
[西川善司ITmedia]

 塗装面の微細移動が起こりうるのにコーティング剤を塗布してしまうとどういうことが起こるか。納車直後は綺麗なツルツルとしたコーティング面が、時間とともに、人間の皮膚の肌理のような微細な割れ目(シワ)が生じるようになる。どんな硬いコーティング剤を適用したとしても、微細にではあるがボディー全体の塗装面がランダムに物理的に動くのでこうしたことが起こる。

 実は、この「うんちく」、元GT-R開発責任者の水野和敏氏に、当時の筆者の愛車を見せたときに言われた「ダメだし」から得られたものだ。

 「西川くんさ、これ、ディーラーで納車時ボディーコーティングしたでしょ。ディーラーの営業マンは納車と同時のボディーコーティングを勧めるけどさ、実は……」という感じで、当時の水野氏は、当時筆者が所有していた2012年モデルのGT-Rのボディー面を見るなり、上で述べたような話とともに「手厳しい指摘」を行ってきたのであった(笑)。

photo 取材終わりで、当時所有していた2012年モデルの愛車を水野和敏氏に見てもらっているシーンの1コマより

 ボディーコーティング工房によっては、コーティングしてオーナーに納車してからしばらくしてメンテナンス入庫を勧めるところもあるが、そうした新車特有の塗装面の移動に起因した「微細亀裂」を補修する目的もある。

 ディーラーやカー用品の量販店などで行われる「やりきり」のボディーコテーィング施工では、そうしたアフターメンテナンスはないと思うので、もし納車して数カ月たった愛車のボディー面をチェックして、そうした「微細亀裂」が出ているようであれば何らかのケアをした方がよいかもしれない。

 さて、今回、筆者が納車を受けた「GT-R nismo Special Edition」(以下、「GT-R nismo SE」)は、本来2022年1月に納車される予定だったが、12月上旬には生産が完了していた。これは、コロナ禍に端を発して2021年後半に起きた世界的な物流の乱れによって基準車GT-R向けのパーツ調達に遅れが生じ、既にパーツが揃っていたGT-R nismo系の生産を前倒しにした影響だそうだ。

 このため、2021年12月に納車を受けることもできたのだが、上で述べたような「塗装面の完全な定着」を狙う意味もあり、予定通りに2022年1月に納車を受けることにしたのだ。ちなみに、下の動画でも示したように、GT-R nismo系はディーラーにて白いボディーカバーを付けた状態で保管されていた。

GT-R nismo系は白いボディーカバーを掛けられたまま、積載車でディーラーに運搬されるのだという

 というわけで1カ月の放置後、納車直後にボディーコーティング“的”なことを行うことにしたわけだが、そのメニューというのが、冒頭に上げたキーワードの「ペイントプロテクションフィルム」(以下、PPF)である。

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