PPFは、アメリカだと一般カーディーラーで取り扱っているくらいメジャーなボディー保護メニューなのだが、日本ではまだ認知が進んでおらず、一部のボディーメンテナンス工房でしか受け付けていないメニューだ。
ボディーコーティングは、コーティング剤をボディー表面に塗布するとボディーの塗装面の上層に硬質で透明な皮膜層を形成させることで、塗装面を守るものだ。
今回のメインテーマはボディーコーティングではないので、解説は簡単なものに留めておくが、ボディーコーティングの種類としてよく耳にする「ガラスコーティング」では、パーヒドロポリシラザン(PHPS:Perhydropolysilazane)と呼ばれる無機高分子ポリマー材が用いられる。PHPSの分子構造はSi-H、N-H、Si-Nなどが複雑に結合した構成となっており、空気中の水分(H2O)と反応すると石英ガラス(SiO2、シリカガラス)の被膜を形成する。ボディーコーティングとはこの化学的性質を利用したものである。
シリカコーティングとも呼ばれるこのガラスコーティングは、耐用年数が約3年とされ、長年、ボディーコーティングの主役的な存在となってきたが、近年では耐用年数が5年〜10年とされる、上位の「セラミックコーティング」が台頭してきている。
“セラミック”というキーワードから、なんとも強いインパクトを感じるが、簡単にいえば「より堅固なガラスコーティング」というイメージだ。化学的視点からみると、形成されるガラス被膜の分子構造が立体的なものとなり、形成される被膜が分厚くなっている。光沢感も強いため、施工費は高いが高級車向けのボディーコーティングの定番になりつつあるようだ。
しかし、筆者は、今回、コーティングではなく、PPFを選択した。
その理由は、第1に、飛び石にめっぽう強く、また軽微な傷は、暖かいお湯タオルで拭けば(夏場であれば外気温でも)消失してまう利点があるため。
また、多くの外国産のスーパーカー愛好家が高確率で施工するということで、個人的にどんなものか興味があった……というのもある。
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