ITmedia NEWS > STUDIO >

動画も写真も失敗しない、モジュール式“デジカメ”としても魅力を醸し出す「Insta360 ONE RS」(1/2 ページ)

» 2022年04月02日 07時00分 公開
[武者良太ITmedia]

 背景をボカして人物を立体的に引き立たせるポートレートや、シズル感が伝わってくる“飯テロ”フォト、そして夜でもパリッと見栄えがいい夜景撮影──どれも、近年のスマートフォンが得意としている分野です。

 もちろん大型センサー&大口径レンズのデジカメを使えば、もっと美しい写真が撮れる。でも手軽さと、スマホの画面で見る分には十分なクオリティーに達している。だから最近はスマホでしか撮影していないという方も増えているでしょう。

 そんな単体としてのデジカメから離れてしまった方へ。リターンカメラマンするのにピッタリのデジカメを見つけました。それが「Insta360 ONE RS」です。

 まあ普通のデジカメではなくて、アクションカム&全天球カメラなのですが。

photo リコーGXRのように、レンズ・センサーがまとまっているユニットを交換できる異色のデジカメ

アクションカムの可能性を広げた2代目

 Insta360 ONE RSの前モデルである「Insta360 ONE R」と同じく、ディスプレイと制御部がまとまったコアユニット、レンズとセンサーが組み合わさったカメラユニット、電力を供給するバッテリーベースという3つのユニットを接続することで、デジカメとして使えるようになる製品です。

photo ツイン版に付属するユニット群

 いくつかのバリエーションがありますが、売れ筋となるのは6万9800円のツイン版でしょう。4800万画素1/2インチセンサーで4K 60fps動画と4800万画素静止画が撮影できる4Kブーストレンズと、全方位を5.7K 30fpsで記録できる360度レンズが付属し、自由に付け替えられます。

 接続部にはしっかりとしたシーリングが施されており、本体だけでも5m防水を実現。ダイビングで使いたい方向けに、後日4Kブーストレンズ用潜水ケースもリリースされます。

 4Kブーストレンズを装着しているところを見ると、アクションカムの大手であるGoProと似たような形状ですよね。でもフロント側にディスプレイが無いから、自撮りが撮りにくそうと感じますがご安心ください。

photo コアユニットを裏返して組み合わせれば、自撮りがしやすい状態になる

 分離式のメリットを生かして、タッチディスプレイを前に向けた状態にすることができます。カメラユニットは右から左へ、シャッターボタンは左から右へと移動しますが、操作感が大きく変わることはありません。

photo 付属するONE RS マウントブラケット
photo 下部にある赤いボタンを押すとサイドパネルが開き、本体が出し入れできる

 自撮り棒や三脚、パイプクランプなどに固定するときは、付属のONE RS マウントブラケットに本体を差し込みます。ONE RS マウントブラケットにはGoPro準拠のブラケットパーツがつき、さらに変換アダプターを使うことで三脚穴を付けられます。

photo 本体がコンパクトだから、1mを超える長さの自撮り棒に取り付けても安心して撮影できる

 Insta360 ONE RSは、アングルを選ばずに撮影できるメリットがあります。スマホ&長い自撮り棒でも撮れるけど手放してしまったときに落ちて壊れてしまうのが確実です。ですがInsta360 ONE RSなら、万が一壊れてしまった場合でもユニット単位で交換が可能ですから、今までなら諦めていた構図での撮影にもチャレンジできます。

4800万画素が生きる写真撮影

photophoto 超広角(フルサイズ換算16mm、左)、広角(右)
photophoto リニア(左)、狭角(右)

 4800万画素で撮影する際、記録可能なデータはJPEGまたはDNG(RAW)となります。RAWデータの保存には数秒の時間がかかり、一眼ミラーレスほどのバッファーや高速なプロセッサは搭載されていないことが分かります。

 しかし細部のニュアンスの残り方は見事。最新の高画素スマホと比較しても劣るものではありませんし、4Kブーストレンズユニットのみが付属する4K版の価格が3万8800円であることを考えると、リーズナブルすぎないか、とも感じてきます。ご覧のようにデジタルズームを使っても破綻が少なく、これは使えるものだと実感できます。

 同じく4800万画素で夜桜を撮ってみました。シャッタースピードが1/3にまで下がってしまったため、セルフタイマーをセットして、さらにぶれないように壁や柵などに身体を預ける必要がありますが、最新ミドルクラス以上のスマホより美しい夜景が撮れます。数字だけの4800万画素ではないのです。

photo 拡大すると補正をかけている部分が目立つが、これだけの夜景が撮れるならと納得できる
photo 同じ構図を「Pixel 6」で撮影したもの
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.