Engadget日本版とTechCrunch Japanはなぜ閉じることになったのか。Engadget日本版最後の編集長だった、矢崎飛鳥氏との対談の3回目をお送りする。長年の友人同士の対談なので、多少言葉づかいが荒いところがある点は、ご容赦いただきたい。
本記事はもともと、筆者(西田)と小寺信良氏が共同運営するメールマガジン「小寺・西田のマンデーランチビュッフェ」および、そのnoteマガジン版「小寺・西田のコラムビュッフェ」に、4月4日の週から5月9日の週にかけて掲載されたもので、本記事はその短縮版の3回目となる。
3回目は「これから」。矢崎氏や、Engadget日本版の顔とも言えたIttousai氏を含めたスタッフがこれから何をしていくのかを聞いた。
矢崎 いろいろね、本当に心苦しいことがありました。本当にうちにしか書いてない、という方も何人かいらっしゃるので、その方に対してもやっぱり責任はあるし。
僕はあと、後継メディアに携わるか携わらないか、今のこのインタビューのタイミング(3月中旬)ではちょっと決まってはいないんですけれども。
何かしら、残った人たちは表現の世界にいると思うので、そしたらまたライターさんたちに、ちゃんと仕事を依頼して、経済が回るようにしないといけないな、と思って。
そこはすごく責任を感じていますね。
西田 じゃあEngadgetにいた人々というのは、これからのキャリアパスはどうなるのか。
それは矢崎さん自身も含めてそうだし、まあよく言われる、Ittousaiさんがどうなるのか、という話も含めてなんだけど。
矢崎 一応、4月15日まで全員ここの社員なんです。Boundlessの社員で、それ以降の退職。6月いっぱいまでは退職を引き延ばせるんだけれども、3月半ば現在、「決まりました!」という声は来てはいない。
西田 そうか。みんなで動くみたいなこと――ブランド名だとか、過去記事はなくなるけど、みんな一斉に別の媒体に動く、みたいな形になったとしたら、それは4月に入ってからの交渉、ということになるの?
矢崎 もう今既に水面下でそういう話は進めているんだけれども。まあ、みんなのことに関しては言えない。プライバシーもあるので。
4月21日都内で行われたイベント「さようならEngadget日本版・TechCrunch Japan」にて、Ittousai氏が編集長となり「テクノコア」という媒体が作られることが発表された(正式媒体名は現時点では未公開)。
名前はEngadgetではないし、Engadget日本版のスタッフ全員が参加するわけではない。矢崎氏も設立に尽力はしているが、編集長・スタッフとして関わることはない。Engadget日本版の記事ログも引き継がれない。
ただし、Ittousai氏に加え、矢崎氏の前の編集長である鷹木創氏が関わることなどから、精神的にはEngadget日本版を引き継いだものになる。ガジェットだけに拘らず、広い話題を扱い、6月のスタートを目指して設立準備が進んでいる。
この話は3月中旬、本対談を収録中には最終決定に至っていなかったがその後まとまり、4月21日に公表される運びとなった。
筆者も対談取材の過程でその経緯は一部聞いていたが、彼らによって4月21日に公表されるまでは守秘の関係から、言及を避けていた。
なお、途中で出てくる「すでに水面下で進んでいる話」とは、テクノコア設立の件を指す。正式な媒体名を含む詳細は、近々発表される予定だ。
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