さてこの結果から想像できることだが、
といったあたりだろうか。
性能向上は、キャッシュ容量の大型化とメモリ帯域の強化で実現した格好だ。そもそも性能比較がマルチスレッド性能のみ、というあたりは要するにシングルスレッド性能というかIPCそのものは変わらない傍証のようなものである。
またこれはCPUとGPUの両方にいえることだが、「どんなテストで何を比較したのか」が分からないので、これだけでは何とも判断できない。
ちなみにM1ではメモリとしてLPDDR4x-4266を利用しており、なのでM2ではLPDDR5-6400を搭載していると考えられる。メモリ帯域が100GB/secだから、メモリバス幅は128bit。
この条件に見合う汎用品としては、MicronのMT62F1536M64D8CH-031 WTが相当する。64bit幅で6400Mbps、容量96Gbitとなっており、これを2つ並べれば128bit幅で帯域100GB/sec、メモリ容量24GBとなる。
MicronはLPDDR5で容量32Gbit/64bitの製品もリリースしている他、128Gbit品のサンプル出荷も行っている。
だからメモリが32GBのM2が出ても不思議ではないだろうし、下位機種向けには16GB/8GB構成のものを提供することも可能だ(さすがに8GBはないと思いたいが)。
というあたりだろうか。
NPUはコアの数を増やせば性能40%アップは容易だろうし、Secure EnclaveはM1にも搭載されているから、多少性能を向上したり対応する暗号化手法を増やしたり、Secure Storageを増やしたりといったことはあるかもしれないが、大きな違いではない。
今回のM2は、M1シリーズと同じように今後Pro/Max/Ultraと展開される可能性もなくはないが、思ったほどに変更が少ないあたり、Pro/Maxまでは行ってもUltraまでは行かないかもしれない。
当たり前であるが、CPUのアーキテクチャの刷新には時間が掛かる。IntelですらTick-Tockとかいってアーキテクチャの大変更は2世代毎に留めていたことを考えると、今回のM2はTockの方であり、次のM3(仮称)で再び大変更となるTickが来るのかもしれない、と筆者は感じた。
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