ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

コンパクトでも本格派 キヤノン「EOS R7」試作機を速攻レビュー荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/5 ページ)

» 2022年06月21日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 とうとう登場したAPS-Cサイズセンサーの「EOS R」。ソニーの「α」やニコンの「Z」が同一マウントでフルサイズセンサーとAPS-Cセンサー機をラインアップに入れてくる中、もともと別ラインとしてAPS-Cセンサーのミラーレス一眼「EOS M」シリーズを展開していたキヤノンはどうするのか、とその筋の人たちが思っていたところ、RFマウントのAPS-Cセンサー機が来たのだ。

 これは注目するではないか。

コンパクトながらどうみてもEOSデザインな「EOS R7」。EOS R初のAPS-Cセンサー機だ

 APS-CサイズセンサーのEOS Rはどんなものなのか。EOS Mより優れているのか。その第1弾である「EOS R7」はどんなコンセプトを持って登場したのか、触りながら探っていこう(注:今回の機材は試作機によるもので、最終製品とは異なる可能性があります。また、試作機のため作例は縮小したものとしております。ご了承ください)。

新しいサブ電子ダイヤルは良いアイデア

キットレンズの18-150mmを装着したEOS R7。ボディはコンパクトだがグリップの大きさはしっかり維持しているのが分かる

 EOSの7といえば、一眼レフの「EOS 7D」。APS-Cサイズセンサー搭載機の最上位モデルで、高速なAFと高速連写をウリに登場した。

 EOS R7もそのコンセプトを受け継いでいるといっていいだろう。APS-Cサイズセンサーながら約3250万画素の高画素センサーを搭載しつつ、EOS R5/R6ゆずりの賢くて速いAFと高速連写機能を搭載した本格派のモデルだ。

 とはいえAPS-Cサイズセンサー搭載によってボディはよりコンパクトになり、価格も「EOS R6」に比べてかなり抑えられた。小型軽量でお手頃な価格でEOS Rの高性能を手にできるカメラといっていいだろう。

 フルサイズ機のEOS R6(約680g)とAPS-Cサイズ機のEOS R7(約612g)ではボディの重量差は68gしかないけど、手にするとかなり軽く感じる。

 正面から見ると、マウントに対してセンサーサイズが小さいのがよく分かる。上位機と同様、電源オフ時に自動的にシャッターが閉まる構造もレンズ交換時にいい。

正面から。マウントに対して小さなセンサー部分。電源オフ時はこのようにシャッターが降りる

 マウントの向かって左下にAF/MFレバーが追加されたのにも注目。ここのボタンは「ONE SHOT/SERVO」の切替えに割り当てたい感じだ。

 操作系はEOS R6をベースによりコンパクトなボディに合わせて改良した感じ。

 上から見ると、右手に電源スイッチがある。電源スイッチを右手だけでオンオフできるのはよい。さらに動画モードもこのスイッチで切り替える。動画をよく撮る人には電源オンと同時に動画モードにできていいけど、そうじゃない人には誤って動画モードにしちゃいやすいので微妙かも。

上面から。右手側に操作系が集まっており、動画は電源スイッチと一体化している

 さらに背面を見るとEOS R7ならではの工夫が見てとれる。EOSといえばモニターの右にあるくるくる回すサブ電子ダイヤルが特徴なのだが、R7はその場所が大きく移動した。モニター右上のマルチコントローラー(十字スティック)と同軸になったのだ。

マルチコントローラーの回りにサブ電子ダイヤルが置かれた新デザイン。慣れるとすごく操作しやすい

 これはすごくいい。くるくる回すのと、スティックでくりくり動かすのを同じ場所でできるし、親指的にも自然な位置だ。親指をそこにもっていくクセさえつければ、十字スティックもサブ電子ダイヤルもさっと使える。

 ただ、慣れないうちは昔のくせでモニターの右側に指を持っていって「あ、ここじゃないんだった」となるわけで、サブ電子ダイヤルの使用頻度は高いので、他のEOSと併用するとなると位置を間違えやすいかも。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.