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指紋認証が通らない、濡れたものが乾かない…… 水滴ストレスと戦うための「STTA」と「soil」分かりにくいけれど面白いモノたち(4/4 ページ)

» 2022年07月19日 11時19分 公開
[納富廉邦ITmedia]
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流行りの珪藻土だが、扱いが難しい

 さらに言えば、珪藻土を成形するのも特殊な技術で、実際、この「アンブレラスタンド」は、シリコンの型に水で練った珪藻土を入れて作っているのだけど、そういう手法で成形する技術を持ったメーカーは、ほとんどない。また、この製品の場合、完全な円筒形になっているのも凄い。

 普通、型で成形する場合、型から抜く時のことを考えて、径を先端に向けて傾斜させて作るのが一般的なのだが、それでは、傘立てとして、あまり美しくない。また、デザインを担当したアッシュコンセプトの「メーカーの技術と、珪藻土という自然素材の風合いを引き立てるために、余計な装飾を施さない」というブランドの方向性もあった。そこで、この難しい、しかし、実際に玄関に置いたり、使用しない時に棚に置いたりした際に、邪魔にならず、しかも、オブジェ感もある製品に仕上がっている。

photo カフェなどにも、このアンブレラスタンドがあれば、どんなに便利だろうと思う。お洒落カフェでも似合うデザインも見事

 実際、使っていて思うのだけど、自立しないし、畳んでしまうと乾かないし、かといって玄関先に転がして置くと邪魔だし、フックなどに掛けておくと水滴が垂れて、本当に始末に困る、雨の中帰ってきたばかりの折畳み傘を、コンパクトに立てておける場所があるというのは、もう、なかった時が思い出せないくらい便利なのだ。もちろん、ある程度乾いたら広げて干すのだけど、それまでの一時退避の場所として、この機能性とコンパクトさはとても助かる。

 この形状だと、長傘の先端を差し込んで使うこともできるし、ツルツルで継ぎ目もなく成形されたデザインは、玄関先に置きっぱしにしても良い感じに収まる。もちろん、靴箱の中などに収納できるコンパクトさも魅力。シンプル極まるデザインだけに、ともすると地味に見えてしまうのだけど、そこに素材の性能と高い技術力が詰まっているのだから面白い。

 奇しくも、同じく水滴ストレスを解消するツールである、STTAのスティックタイプもsoilのアンブレラスタンドも円柱形だというのがまた面白い。どちらも、パッと見、何だか分からないというのも共通していて、しかも、重要なのは、吸水性能以上に、排水機能だというのも共通する。そして、何より、水滴ストレスは、意識し始めるととてもうっとうしいもので、それを解決できるツールがいろいろ出てきていることが嬉しい。

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