東京の渋谷駅前に現れた“巨大な子犬”がテレビやSNSで話題になっている。毎時0分になるとビルの上や壁面にある大型ディスプレイ(デジタルサイネージ)に3D CGの子犬が登場。顔を出したりフリスビーをキャッチしたりと遊び回り、見た人を驚かせている。
仕掛けたのは主に野外広告を手掛ける広告代理店のヒット(東京都中央区)。駅前にある8面の大型デジタルサイネージを使い、子犬が登場する巨大な「3Dからくり時計」の放映を7月29日に始めた。毎時0分になると約30秒間、子犬がビルから顔を出して愛嬌を振りまきながら時刻を伝える(午後7時0分を除く)。
ヒットの担当者によると、きっかけは新しいデジタルサイネージ「シンクロ7シブヤヒットビジョン」が4月末に完成したこと。渋谷駅の宮益坂近くのビル3棟に合わせて7つの画面を持ち、各画面をシンクロさせ連続性のある広告映像を表示できる。「これを使って何か新しい表現ができないかと考えた」。
ハチ公口前には単面デジタルサイネージ「シブハチヒットビジョン」もあり、8つの画面を使うシステムにできた。画面の面積は「バスケットボールコート約3面分」に及ぶ。
キャラクターには渋谷駅のシンボル「ハチ公」と同じ秋田犬、それも子犬を採用した。「渋谷は近年の大規模な再開発プロジェクトにより、ビジネスの拠点にもなりつつある。幅広い年齢層をターゲットとした広告がマッチする」という判断だ。
CG映像には錯視を利用した立体表現も加えている。映画のような3Dメガネを使う立体視技術とは違い、“だまし絵”に近い技法。「子犬が窓から顔を出した時などは(映像に)立体的に見えやすいパーツを加えたり、影を付けたりしている」としている。
子犬の姿が見えるのは、渋谷スクランブル交差点やハチ公前広場の他、「宮益坂や渋谷ヒカリエ」などの渋谷駅の東側、渋谷警察署のある渋谷駅南側など。27年に完成予定の「スカイウェイ」(渋谷駅の東西をつなぐ歩行者通路)からも視認できる見込みだ。
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