ITmedia NEWS > ネットの話題 >
ITmedia AI+ AI活用のいまが分かる

AI画家「midjourney」に早速の活用例 Twitter小説「ニンジャスレイヤー」の挿絵作りで活躍

» 2022年08月05日 12時02分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 「神イラストが1分で完成する」などと話題を集めている画像生成AI「midjourney」。このAIを、クリエイティブ分野で活用する事例が早速登場した。Twitterで連載している小説「ニンジャスレイヤー」の公式アカウントが、挿絵の作成にmidjourneyを活用。コンテンツ配信サービス「note」で提供する有料コンテンツへの誘導に役立てている。

 ニンジャスレイヤーの公式アカウントは、Twitterに小説の一文やタイトルと一緒にmidjourneyで生成したイラストを挿絵として投稿。リプライで、noteで掲載している小説へ誘導している。誘導先の小説は基本的に無料で読めるが、一部分のみ有料だったり、過去に出版した書籍や漫画へのリンクを張っていたりする。

 有料コンテンツそのものの作成にもAIを活用している。ニンジャスレイヤー公式アカウントは8月3日、noteで配信する有料コンテンツとして、画像生成AIで作成したキャラクターのイラストを公開する「ポートレイト・オブ・ニンジャ」を開始。月額590〜1500円の定期購読プランを契約した人に提供している。

 ニンジャスレイヤーでは基本的に、主要なキャラクターであっても一貫した外見を定めておらず、公式デザインなどを提供していない。ファンアートなどが活発化するよう、あえて統一していないという。過去には漫画を出版したり、テレビアニメを放送したりしているが、メディアごとに異なるキャラクターデザインを採用している。

 ただ、挿絵などのイメージがあったほうが小説を読みやすい人もいる。一方で、新しいキャラクターは昔から登場するキャラクターに比べると、イラスト化したメディアが少ない場合もある。そこで画像生成AIで作ったイラストで対応したとみられる。ただし、こちらは使っているAIがmidjourneyかどうかは明らかにしていない。

 ニンジャスレイヤーは、人体の機械改造や人工食糧が一般化したサイバーパンクな世界観で、超能力者「ニンジャ」が活躍する小説。「マルノウチ・スゴイタカイビル」「チャメシ・インシデント」など、「忍殺語」と呼ばれる独特の文体が話題となり、2016年にはテレビアニメも放送した。midjourneyの活用も、作品の世界観を踏まえたものとみられる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.