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2台のVAIOの移植手術中に現れた「虫」についてNEWS Weekly Top10

» 2022年11月07日 17時40分 公開
[岡田有花ITmedia]

 ITmedia NEWSにおける1週間の記事アクセス数を集計し、その上位10記事を紹介する「ITmedia NEWS Weekly Top10」。今回は2022年10月29日(土)から2022年11月4日(金)までの7日間について集計し、まとめた。

 4日金曜日までのアクセスランキング1位は、Amazon Music Primeの仕様変更にユーザーが困惑しているという記事だった。楽曲数が増えた一方で、原則シャッフル再生だけになり、聴きたい曲を選んで再生できなくなった、というなかなかの“鬼仕様”。ユーザーからは悲鳴が上がった。

 この週末はイーロン・マスク氏によるTwitterの買収と大量解雇に伴う混乱も大きな話題になったが、それは来週のアクセスランキングに反映されるはずだ。

 ところで、記者の悲しい話を聞いてくれないか。

 記者は、最近モバイルノートPCを新調した。「5年は買い換えないから」と、最新のCore i7に32GBメモリをぶっこみ、かなり思い切ったお値段……27万円を投じた、12インチの「VAIO SX12」だ。使い始めて「軽っ!」「速っ!」と感動し、「待てよ? 原稿書くだけなのにこの速さ、いる?」「えっ、私のマシン、高すぎ?」などと後悔していたりしたのだが、購入1カ月後にいきなり、液晶が割れた。早速の修理送りだ。

画像 割れていますね

 ここで問題にぶち当たった。2週間ほどかかるという修理を待つ間、代替機がないのだ。その前に使っていたマシンも使えない。11インチの「VAIO S11」(8年前に買ったもの)なのだが、ある日、スタバで開いたとたん、ヒンジが「バキッ」と割れ、中のケーブルがむき出しになり、ディスプレイが傾いた。そんなにスタバが嫌いだったんだろうか。

 ヒンジが壊れただけで中身は無事だったが、ディスプレイはまっすぐにならないし、使い続けると割れたところからヒビが広がりそうだし、使えそうにない。代替機、どうするか……。

画像 割れて傾いていますね

 そこで思いだしたのが、もう1台のVAIO S11のことだ。家族が昔使っていたのが押し入れに眠っている。それを引っ張り出して起動し、よし、代替機はできた……と思ったが、そうは問屋が卸さなかった。何をやってもどうしても、Windowsが起動しないのだ。終わった……。

 ただ、マシンの起動自体は大丈夫なので、Windowsだけの問題かもしれない。Windowsを入れなおせば何とかなる……? と思いつき、リカバリメディアからWindowsを入れ直した。そして起動に成功! したものの、さて、移動させるか……と電源ケーブルを抜くと、いきなり電源が落ちた。えっ、充電できてない?

 ケーブルを差しなおし、再起動して判明した。電池が認識されていない。「電池、壊れてるのかも……」。外出先で使うモバイルマシンなので、電池がないと、とてもこまる。

 ヒンジが壊れているVAIO S11と、電池が壊れているVAIO S11。手元に残った「単体では使えない」2台を見て思いついた。「もしかして、2人の生きてるパーツ同士を組み合わせたら、元気なVAIOが1台できるのでは!?」

 「VAIO S11 電池交換」などでググると、VAIO S11を分解している動画がたくさん出てくる。ノートPCの分解など初めてで怖かったが、他に手はないので、まねしてやってみた。まずは、1台目の裏ブタのネジを外していく。8割方外したところで気づいた。「あっ、ネジのサイズ、2つある……」

 どのネジがどこのものか、記録していない。これでは組み上げる時に困ってしまう……。いや、大丈夫だ。まったく同じ機種がもう1台あるから、その時に記録すれば……。

 1台目のネジをすべて外し、裏ブタを外そうとしたが、しっかりひっついて、びくともしない。爪を入れてはがそうとしても無理だ。「薄いカードのようなもので隙間をメリメリっとやると外れやすい」と聞き、薄いカード、薄いカード……と探して見つけたのは、息子のコロコロに付属していた「デュエマ」(デュエル・マスターズ)のカード。これを隙間に挟んでみたら、うまいこと外れてくれた!(カードは端が傷んだ。スマン息子。。)

 次は2台目の分解だ。今度はネジ位置を記録できるよう、ネジを1本外すごとに、白い紙に、テープでネジを張り付け、場所を対応させるようにしていった。我ながらいいアイデアだと思ったのだが、白い紙に張られたネジはどう見ても虫に見えた。

画像 開きましたけど
画像 虫ですね

 とか言いつつも、2台とも無事に裏ブタを開くことができた。ヒンジが壊れたVAIOから電池を抜き、バッテリーが壊れたVAIOに移植。白い紙に記録した位置通りにネジを配置して締めなおし、いざ起動すると……電池が認識された! 2人のVAIOが初めての共同作業を成功させた瞬間だ。

 そして記者はこの原稿を今、そのVAIOで書いている。このVAIOには、末永く元気でいてほしい。

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