イーロン・マスク氏による米Twitterの買収から10日。早くもTwitterにさまざまな変化が生じている。今、何が起こっているのかを、ITmediaだけでなく各社のニュースからまとめた。(最終更新:2022年11月16日9時09分)
マスク氏は、Twitterを440億ドル(約6.4兆円)で買収した。4月に1株54.20ドル(総額で約440億ドル)でTwitterを買収することで合意したが、その後撤回し、Twitterに提訴されていた。
買収は10月27日(現地時間)に発効。当初の予定通り、1株あたり54.20ドルで買い取り、Twitter社は11月8日に上場廃止となった。
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ビジネスモデルの変革が急ピッチで進められている。マスク氏はTwitterの認証バッジ(いわゆる青バッジ)を有償サービス「Twitter Blue」の1機能にし、同サービスを月額8ドルとする計画を発表した。10日には、青バッジの販売が米国とカナダで開始。早くも14万人が新規加入し、一時受け付けを停止している。通知欄には認証済み専用の枠も追加された。
国内でも一部のユーザーが「利用料は日本円で月額900円だった」と報告している。また、機能変更に伴うものか、「青バッジのアカウントの名前変更ができなくなる」といった混乱も。
これまで認証済みの意味で使われていた青バッジが、お金を払えば得られるようになったことで、早くも偽Twitterアカウントも登場している。
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8日には、認証バッジ(青バッジ)有償化後は、公式アカウントに青バッジとは別の「Official」ラベルを付与することも明らかにした。10日、実際にITmedia NEWSのTwitterアカウントにも「公式」ラベルが付与された。そのほか企業を中心に「公式」ラベルの付与が始まった。一時剥奪した「公式」ラベルだが、10日には再配布が始まっている。
公式ラベルの混乱に乗じ、フィッシング詐欺が増えているという調査も出てきた。
公式ラベルについては、その企業のアカウントが自社の幹部のアカウントを公式として認証できるようなシステムが検討されているようだ。
新機能も続々発表。6日(米国時間)には、ツイートに長文テキストを添付する機能を追加すると発表した。
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Twitter社内部の急速な変化に、ユーザーの間でも混乱が広がっている。米国では、セレブの間でTwitter離れが進行しつつあると、ウォールストリート・ジャーナルが伝えている。マスク氏が掲げる「言論の自由」の捉え方はさまざまで、ヘイトスピーチ(憎悪表現)が拡散しかねないとの懸念もある。
国内では、Twitterが有料化を検討中という噂に反応し、「Twitterが有料になればmixiに戻るしかないのか」という言説が拡散。Twitterのトレンド2位に入るなど話題となった。
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買収後のマスク氏は、すぐさま組織変革に着手した。TwitterのCEO、CFO、CLO、法務顧問など9人を解任し、自身が唯一の取締役に。
そして11月4日からは従業員の大量解雇が始まった。会社全体では約50%の人員が削減されたという。マスク氏は4日、「Twitterの人員削減は、同社が1日当たり400万ドル以上の損失を出している今、残念ながら他に選択の余地はない。解雇された全員に、法的に決められているより50%多い3カ月の退職金を提示した」とツイートした。
さらに12日には契約社員を大量解雇。全体の8割にあたるという。
マスク氏は10月の段階で、買収が完了したら従業員の75%を削減する計画だと投資家に語ったとされており、これを実現に移した形だ。
一方で、拙速に解雇を進めたことで混乱も起きている。ブルームバーグは、いったん解雇した従業員の一部に会社復帰を要請したとも伝えている。
13日には、マスク氏がTwitter上で自分に反論した社員に対し、「彼はクビだ」とツイート。波紋を呼んでいる。
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そもそもマスク氏はTwitter買収で何を目指しているのか? 同氏は買収発表当初から、「言論の自由の場としてのTwitterを守りたいから買収する」としており、5月の段階でいくつかのプランを投資家向けに提示していた。
こうしたゴールに向けて、運用ポリシーも変更しつつある。7日、マスク氏は「Twitter上でなりすまし行為を行ったアカウントを永久停止する」とツイートを投稿した。また、マスク氏が偽情報拡散防止対策「Birdwatch」の名称を「Community Notes」に改称するとしたことをめぐり、Twitter創業者のジャック・ドーシー氏とツイートの応酬になっている。
素早く変革を進めるマスク氏は、たびたび行動や言動が公的機関との軋轢(あつれき)も呼んできた。米連邦取引委員会(FTC)もTwitter買収後の動きについて「強い懸念を持って事態を追っている」という。米紙が報道した。
国内では、5日から6日にかけて「ニュース」欄の更新が一時的にストップ。TwitterJPがTwitter上の話題を操作していたとする意見もあり、日本のTwitterトレンドに「トレンド操作」が入った。
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