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AIでどこまでできる? 絵心のないプログラマーが「ChatGPT」と「作画AI」でマンガを描いてみた清水亮の「世界を変えるAI」(4/11 ページ)

» 2022年12月09日 20時00分 公開
[清水 亮ITmedia]

 あとはクリスタでコマ割りして吹き出しをつけて……という作業をやっていたのだが、Photoshop、CLIP STUDIO PAINTなどいろいろ作業した結果、Keynoteでやるのが一番簡単だということが分かった。

 クリスタで吹き出しだけ描いて、それをKeynoteで調整する。邪道すぎるかもしれないが、別に僕はマンガ家ではないので道具にこだわらない。

Macのプレゼンテーションソフト「Keynote」で仕上げをする

 こうしてできたのが、このマンガである。

 制作期間は足掛け2日。作業時間は合計3時間くらいだ。AIがなければ一生マンガなんか描けなかったと思うので、AIに感謝するしかない。

 そして今回一番大変だったのは、AIが支援してくれない部分だった。つまり、コマ割りとか見せ方とかは、自分で決めなければならない。これが結構苦労した。

 また、やはりヒロインもできればカスタムモデルで学習させて、キャラクターを固定したものを出したいのだが、今回は時間がなかったので諦めた。

 まあ正直、AIの力を使っても、元来のセンスのなさは致し方ないところではあるが、もともとITmediaのS編集との打ち合わせの中で「ChatGPTと作画AIが流行ってるから、いっそその2つを組み合わせてマンガでも描きますか」と言ってしまった自分が悪いのである。

 しかし、マンガの原稿料は文字の原稿料より遥かに高い理由がよく分かった。

 いわゆるマンガに使う「ネーム」の作業を省略してやってしまったが、AIとのセッションの場合、絵が先に出てくるのでネームの意味があまりないことが多い。とりあえず言葉を放り込んでみて、ストーリー進行に沿った組み合わせを考えて画面を作っていく形になる。

 まあどちらにせよ個人的には大変楽しい体験であった。大変だったけど。

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