では、掃除機市場の23年を大予測してみよう。大きく変化する掃除機市場において、現在、国内メーカーは軽くて使い勝手のよいコードレススティック掃除機で存在感を示している。
コードレススティック掃除機は、中国のOEMメーカーなどに依頼すれば比較的簡単に製造できることもあり、低価格市場に国内外のメーカーや異業種からの参入がこれまで以上に増えそうだ。例えば、昨年は家具などを取り扱う福岡県大川市のタンスのゲンや、新潟県燕三条のOEMメーカーSANKAなどが、コードレススティック掃除機を発売している。
ロボット掃除機はメカとしての掃除機の機能以上に、ソフトウェアでの制御やAIによる行動判断などの機能が求められる。この領域では先行するルンバ、開発力の高い中国メーカーが市場をけん引していきそうだ。また23年は、これまで以上に多くの海外メーカーの日本市場への参入が予想できる。
高性能ロボット掃除機で注目なのは今年、日本法人が設立され、クラウドファンディングでの先行販売を行っている中国のナーワル(Narwal)だ。
コードレススティックとロボットのいずれの掃除機も進化の背景には、モーターやバッテリーの小型化・高出力化といったコア技術の確立がある。だが実は高性能モデルにおいても、モーターやバッテリーといった基本的技術は進化が頭打ちになってきているのが現状だ。
これは裏返せば、掃除機市場は新しいプレイヤーが参入しやすい状況で、23年はより多くメーカーの製品が登場することが予想できる。そうしてプレイヤーが増えることで、さらなる低価格化に加え、新たな技術進化が起きることも期待したい。
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