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ホットクックの牙城を崩せるか? パナ本気の「オートクッカー」の完成度は知らないと損!?業界最前線(3/5 ページ)

» 2023年02月13日 07時00分 公開

自動調理鍋市場の二分化が進む

 これまで自動調理鍋市場において最も高価だったのは、6万円台のホットクックだった。ここに価格的に対抗していたのは22年秋に発売されたアイリスオーヤマの自動かくはん式調理機「シェフドラム KDAC-IA2-T(以下、シェフドラム)」くらいだった。そこへ8万円台のオートクッカーが加わったことで、自動調理鍋の平均価格は大きく上がった。

「シェフドラム KDAC-IA2-T」(実勢価格6万880円)。内鍋が回転する機構を搭載し、本体を傾けられる点が特徴。傾けた状態で内鍋を回転させることで、材料を撹拌(かくはん)しながら加熱できる

 とはいえ、2分化がさらに進んだともいえる。シロカやアイリスオーヤマ、A-Stageなどの、自動でかき混ぜる機能を搭載しない電気圧力鍋はほとんどが1万円から購入できる。大容量タイプやティファールの上位モデルでも4万円台なので、混ぜる機能の有無で大きく価格が分かれる。ただし、定番の豚の角煮やカレー、ちょっとした煮物などを自動調理するだけなら、これらの低価格モデルでも機能としては十分だ。

大手家電量販店ビックカメラの電気圧力鍋の販売ページ。ほとんどのモデルが1万円台で購入できる。これらモデルの各機種は、機能面で大きな差はない

 パナソニックとシャープは、食材をかき混ぜる機能に加えて、クラウドと連携して新しいレシピをダウンロードできる機能も搭載している。パナソニックは、プリセットメニューに加えて、ホテルニューオータニ監修のこだわりメニューを用意。これからもさまざまなコラボメニューを追加していくとしている。

パナソニックのスマートフォンアプリ「KitchenPocket」を利用すると、新しいレシピをダウンロードしてオートクッカーに転送できる。プリセットメニューもアプリで検索して設定を転送できるのが便利だ

 シャープのホットクックも、クラウドサービス「COCORO KITCHEN」の提供する同名のスマートフォンアプリでさまざまなレシピを追加可能。また同社が提供する食材の宅配サービス「ヘルシオデリ」にも、ホットクックに対応したメニューが多数用意されている。これらの付加機能や関連サービスの有無が、1万円台の低価格電気圧力鍋との違いなのだ。

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