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ネット専用「Tracersオールカントリー」は実質コスト最安を目ざすのか? 日興AMに聞く(3/3 ページ)

» 2023年04月26日 15時45分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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実質コストをどう見るか

――指数のライセンス料が信託報酬に含まれていない。これによってその他コストが膨らむと思うが、その意図と開示方法、目安はどうか。

有賀氏 日本に上場しているETF(上場投資信託)では、ほぼ全社、信託報酬の外に指数のライセンス料を乗せている。また公募投資信託でも、複数の会社がこの形でやっている。当社でも、現在は大半がその形だ。

 ETFでは普通のやり方で、このファンドで特別なやりかたをしているわけではない。

――実際のところ、オールカントリーインデックス投信としてコスト最安を目指すのか?

有賀氏 とにかくコスト削減を目指す。信託報酬0.05775%+その他上限0.1%が上限となるのは事実だが、それはあくまで上限だ。さまざまな工夫によってどこまで低くできるかだと思う。指数利用料は、一般的には固定と率の組み合わせが多い。規模が拡大することで、コストが下がる部分もある。

 具体的なコストの総額は、1年後の運用報告書で出すが、そこまで投資家の方に待ってもらっていてはもったいないので、開示またはやり方も含めた工夫の余地を議論している。

信託報酬の安さは他投信を圧倒するが、指数のライセンス料などは信託報酬に含まれず、最大0.1%の「その他費用」に含まれる。焦点は、その他費用も含めた実質コストだ

――低コスト化により、継続を不安視する声もある。相当な額が集まるまでは赤字ではないかと思うが、早期償還のリスクについてどう捉えたらいいのか。

有賀氏 大きな黒字になるには大きな金額が必要だが、マザーが存在しているので逆に大きな赤字にはなりようがない。ファンド個別で損益は見ていくが、損益がどうだからと単純に償還するというものではない。運用の継続性については、残高を増やして安心していただけるようにしつつ、適切な情報開示、情報発信に務めていきたい。規模感としては相当大きいものを目指さなければいけない。



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